即興厨房

大船市場で野菜を大量に買い込んでええ感じのお総菜を一週間分作ってはブログに記録する人です。器は骨董屋でこつこつ集めたぐい飲みやお猪口です。美術展、本、たまの旅行も記事にします。好きな動物はチー付与のどんぐりです。

【冷凍したまま】割安な肩ロース塊肉で作る中華っぽい蒸し料理【圧力なべ20分】

ちゃんとした料理名ありそうなのでご存じの方おられたらご教授ください。

 

【材料】

豚肩ロース 食べたいだけ(うちはタンパク質大好きなので一人あて200g)

 

【調味料】

オイスターソース 大匙1~2杯

醤油小匙1杯

塩コショウ お好みで

日本酒または紹興酒 大匙1~2杯

胡麻油 小匙1杯

五香粉または十三粉 お好みで

 

【必要な道具】

圧力なべ

圧力なべに適合する蒸し器

ポリ袋またはジッパーバッグ

 

【作り方】

  1. 豚肩ロースの塊肉を1~1.5センチの厚さに切る
  2. 調味料を袋に入れて混ぜる
  3. 袋に肉を入れ肉全体に調味料が回るように揉みこむ
  4. (そのうち食べるのであれば冷凍する)
  5. 圧力なべに水を入れ蒸し器を設置する
  6. 冷蔵または冷凍の肉を蒸し器に設置する
  7. 圧力なべを高圧にセットし中火にかける
  8. 圧がかかったらそのまま20分加圧する
  9. すぐ食べたければ水で急冷する
  10. 肉が繊維質残りながらくたくたに柔らかい!これ中華料理屋の炒め物に入ってるすごいうまいあの肉じゃん!やったー!

 

【このレシピのいきさつ】

うまい豚角煮が食べたい。しかしネットの豚角煮のレシピはチャーハンのそれと同様たいていの場合もっともらしい嘘つきだ。フライパン一つでうまく仕上がった試しがない。蒸した後高圧で煮てさらに煮詰めてもどうしてもあの食感あの味わいにならない。しかしあの味とはなんだ。私はこれまでに一体理想の角煮を食べたことがあったろうか。それは私の脳内にあるただの幻ではないのか。私は本当にそれを食べたことがあるのか。本当にそれはこの世に実在しているのか。私は…。長崎に行った。坂本屋の角煮めしを食べた。うまっ!これだ!これこれ!卓袱料理の献立の一としての東坡肉、美しく形を整えるために切り落とされた端切れのうちに、私の夢見た豚角煮があった。私がずっと求めていたのは君だった。私は一体君に本当に出会ったことがあったのか、いつどこで出会ったのか、そんなことはもうわからない、私は実は過去君に会ったことなぞなく、ただぼんやりとうまい角煮とはこういうものだと夢見ていただけかもしれない、しかし私の理想は確かに君だった。そんなことを思わせる角煮であった。さて私は料亭で数日かけて作り上げられた理想の君を自らの手で再現すべきか。否。私は君という理想が確かに実在しているのを知った。そうであれば私が試行錯誤する必要はない。私は私の身の丈にあった食べ物を作ろう。脂身のえげつない豚バラ肉でなく、紅茶煮とか焼き豚を詐称した煮豚などに用立てられることの多いどう調理してもいまいち固い感じのするお安めな豚肩ロース肉でな…!君をおいしく仕上げることができたら、それは私の食卓にとっても、お財布にとっても、どんなに素敵なことだろう!そうだな、豚角煮の、蒸す、高圧で煮る、味をしみこませる、この三工程を一つにまとめられないだろうか。下味をしっかりとつけ、高圧で蒸したら程よく脂も落ちていい感じになるのではないか。さらには甘さを控えオイスターあたりで調味してはどうだろう。この間知り合った十三香を入れたら多分絶対的に中華っぽくなるぞ!下味をつけた肉を高圧で蒸してみた。実験は成功だ!なんかこう、中華街で出てくるオイスターソース炒めに入ってるちょっとええ牛肉みたいなホロホロ感、肉の良さを損なわないのにお子様ご高齢者様にも楽しんでいただけるだろう理想的な柔らかさ!こうして私はすっかり豚肉の高圧蒸しにはまったのである。ある日帰宅した私は肉を解凍していなかったことに気づいた。この窮地をどう脱すればいいのか…電子レンジで短気な解凍をするとどうしても温度にむらが出てしまう…生暖かいピンクのとこと過熱されてかたくなった白っぽいとこのあるドリップに浸かった肉を炒めるのはいやだよぉ…そのとき天啓が下った。電子レンジがないころ、温めなおしはどうしてた?そう、蒸し器だ、ならば冷凍したものも蒸せばいい感じで解凍できるだろう!さらにさらにだ、蒸し料理用に冷凍していたのであればそのまま高圧で蒸したらいい感じに仕上がるんじゃないか…?やってみた。実験は成功だ!こうして私は真のユートピアに到達したのであった。