即興厨房

大船市場で野菜を大量に買い込んでええ感じのお総菜を一週間分作ってはブログに記録する人です。器は骨董屋でこつこつ集めたぐい飲みやお猪口です。美術展、本、たまの旅行も記事にします。好きな動物はチー付与のどんぐりです。

【簡易レシピ付き】子持ち鮎の圧力鍋蒸し【塩1時間、蒸し30分】

材料

子持ち鮎

 

調理器具

圧力鍋とその中に入れる蒸し器

調理用シリコーンシート ほんとのこというと蒸した後皿に移すのが大変なので竹の葉など使うとよいのではないか

 

作り方
  1. 子持ち鮎は水洗いした後ペーパータオルで拭ってぬめりをとる。
  2. 表と裏に多めに塩してペーパータオルでくるんで一時間置く。
  3. 圧力なべに750mlの水を入れ蒸し器にシリコンシートを敷き鮎を載せる。水量がこれ以下だと多分蒸気が30分持たないので注意。
  4. 高圧にセットして圧がかかったら蒸気が出続ける程度の弱火にして30分圧をかけ火を消して自然に圧が下がるのを待つ。
  5. 圧力鍋から鮎を皿に移す。シリコンシートの四隅を摘みあげ鮎を皿に滑りこませるか指先トングやフライ返しなどで頑張るとよい。なおシートに蓋から落ちた水が溜まっているので気を付けよう。
  6. うまい!鮎という魚の持つ上品さを丸ごと味わえる一品に仕上がったぞ!箸ですんなり切れる、というより蒸し器から皿に移すときに身がもげるほどに柔らかい!頭から頂いて障りなく、腹子は焼いたとき同様ほくほくと食べ応えがあり、身は清冽である。この調理法の手本にしたのは甘露煮であった。しかし甘露煮は鮎の繊細さを砂糖醤油で塗りつぶしてしまっている。塩焼きと同様の風味を味わうにはこちらが向いているだろう。ただ当たり前だが香はなんも残ってない。鮎の胡瓜のような香りは料理する人の特権なのだ。

 

このレシピのいきさつ

子持ち鮎が好きだ。しかし腹子以外の部位を上手に食べられた試しがない。細く柔らかい腹骨に抱かれた腹子を綺麗に抜いたら身も上手にいただきたいのだが、背中はともかく腹の身は薄く痩せてしまっていて頑張っても食い散らかしたようになってしまう。といって夏の鮎と違って骨も強いから腹骨ですら存外障る。産卵前の鮎は平素より一段尊いのだから身のひとかけ骨の一本も残さず頂きたい。ではいっそ圧力鍋で蒸してはどうか。最初は変な色気を出して1時間ほど塩こうじに漬けたのを高圧で15分蒸してみた。腹案ではいかにも美味そうであったが、食べてみるとなんだかはっきりしない味わいにとどまった。また蒸し時間も15分ではうなじあたりの骨が障り、内臓の苦みが悪い感じに残っていた。翌日は一晩漬けこんだところに薄切りにしたカボスを載せて20分蒸してみた。これは更によくなかった。蒸しているうちにかぼすの青く爽快な香気がすっかり抜けてしまい、鮎にも特段面白い味が足されはしなかった。また蒸し時間が20分ではうなじの骨の障りも悪い感じの苦みも改善されなかった。ならばもう原点に返って塩でよいのではないか。そうして蒸し時間もいっそ30分にしてみてはどうか。食べてみて香ばしさが足りなければクッキングバーナーで皮目を炙ればいい。蒸し上がったのをいただいた。美味かった。今後子持ち鮎はこれでいこう。ご年配にも好適。

 

あなたの一押し私の喜び。ランキングに参加しています。参考になったらご褒美にクリックお願いいたします。