即興厨房

大船市場で野菜を大量に買い込んでええ感じのお総菜を一週間分作ってはブログに記録する人です。器は骨董屋でこつこつ集めたぐい飲みやお猪口です。美術展、本、たまの旅行も記事にします。好きな動物はチー付与のどんぐりです。

メバルの煮つけ

筋肉料理人さんの煮魚を参考にしている。

 

筋肉料理人さんのレシピでは、

魚100g:醤油大さじ1:みりん大さじ1:砂糖大さじ1:日本酒大さじ4:水大さじ4

黄金比となっている。うちでは日本酒を水に替えているので、水が8という分量になる。

今日は大船の鈴木水産でメバル2尾が580円であった。量ったところ380gなのでまぁ大体400gとして煮汁を作る。ティファールのウォックパンに調味料を全部入れスライサーで薄切りにした生姜を落とし強火で煮たてる。同時に霜降り用の湯を沸かす。まな板を洗い桶に坂に渡してその上にメバルを載せ沸いた湯をメバルがずり落ちようが構わず回しかける。湯が無くなったらそのまままな板を外し洗い桶に冷水を入れて腹の中をなんとなく洗ってやる。そのころには煮汁がぐつぐつしているのでそこに行儀よく二尾を並べてやった。

筋肉料理人さんによるとまずは強火で5分である。筋肉料理人さんはアルミホイルで蓋を作っておられるが私はペーパータオルをかけて済ます。五分経って一旦ペーパータオルをはぐと煮る前と違い皮が透明感のある赤色となりそれをはだけて白い身をところどころむき出しにしたメバルさんが露わになる。そこに追い生姜として親指ひとかけほどをスライスして入れてもう一度ペーパータオルをかけなおしてやりさらに強火で5分。

ところがどうも火加減を間違えたらしく、タイマーに呼ばれて鍋に戻ると佃煮のように飴色にじぶじぶと煮えるメバルさんがおられた。といって焦げてはいないので特に問題はない、かえって艶々が期待をそそる。佃煮もこうやってうっかり煮過ぎたところから始まったんだろうなぁと思いを馳せた。

皿に移し骨抜きで骨を抜きながら頂く。

ぼうずこんにゃくさんの市場魚貝類図鑑にもあるように身離れが実によい。もともとメバルがこういうものなのか、それとも煮過ぎたせいなのか、身がしっかりと締まっており透明でしっかりとした骨も外しやすくなっていた。口中に骨が紛れぬのは全く以て快適である。幼児のように夢中になって頬ぺたやぼんのくぼの肉を外しているうちにずいぶんきれいに骨だけになった。いつか煮魚をきれいに食べられるようになりたいと思っていたが、上手に仕事ができるかは案外魚の肉質にもよるのかもしれないと思った。

筋肉料理人さんは煮魚は煮た魚を煮汁に浸けていただく料理であると言っていた。今回はだいぶ煮汁が濃くなってしまいまた肉にもやや味が滲みたがこれはこれでやはりうまいものである。宵越の一尾を保存容器に移し残った煮汁を上からかけるとところどころに真っ白な肉の覗く薄赤い皮をまとったメバルの上に血のしずくを垂らしているようで、今日の夕飯はどうも全体艶っぽいことになったのだった。