即興厨房

大船市場で野菜を大量に買い込んでええ感じのお総菜を一週間分作ってはブログに記録する人です。器は骨董屋でこつこつ集めたぐい飲みやお猪口です。美術展、本、たまの旅行も記事にします。好きな動物はチー付与のどんぐりです。

やよいひめとゆめのかを食べ比べてみた

やよいひめ

やよいひめ

やよいひめはもともと果皮が濃い赤にはならない品種だという。しかし実物を観てみると少女の桃割から覗く絞のように優しいいろである。白い支脈が断面の中心から表面に向かって規則的に走っており、端正でいっそ絵画的な印象すら覚える。味はそれほど濃くない。個体によっては大層薄味のものもある。しかし当たりの個体は酸味にやや勝った甘味のバランスが非常に素晴らしい。天然の産物なのだからばらつきがあって当たり前なのだ。今このように美味しい苺を頂けているのは長い品種改良の成果であり、また苺は今も品種改良の途上にあるということを思いださせてくれる苺であった。

ゆめのか

ゆめのか

見ての通り果皮は実に鮮やかな赤、芯に指した曖昧な薄紅にはどこか稚い印象すら覚える。小粒なのは仕分けによるものであろう。酸味と甘みは拮抗しているといいたいが全体的にほんの僅かばかり甘味が負けているものが多く、苺らしい味わいだが甘いかというとそうとも言い切れないというのが本当のところである。個体差は余りない。よい値段のものを買えばもっと甘いのかもしれない。切っているときの香りは素晴らしかったが盛り付ける先から揮発して失われてゆくためこれを楽しめるのは料理人の特権である。

 

個体差はあるが突出した個体の味わいが佳かったこと、ルビーレッドではない果皮の穏やかな美しさを思い出させてくれたことから今回はやよいひめに一票。

www.kudamononavi.com

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