即興厨房

大船市場で野菜を大量に買い込んでええ感じのお総菜を一週間分作ってはブログに記録する人です。器は骨董屋でこつこつ集めたぐい飲みやお猪口です。美術展、本、たまの旅行も記事にします。好きな動物はチー付与のどんぐりです。

マナー講師による『ご清聴ありがとうございました』の使用制限についての記録

昨日出張講座を開くための研修を受けた。

うち一講座を担当した元客室乗務員のマナー講師によると、「講座の最後に『ご清聴ありがとうございました』は使ってはいけない」とのことだった。

なんでもこの言葉を使ってよいのは教授など相当地位(および年齢)の高い方のみで、当該講師ごとき若輩は使ってはならんとの指摘を受けたそうだ。

まぁ指摘を受けたのはいいとして、それをまるで従前からの当たり前の用法のように広めるのはどうなのか。

手元の小学館 精選版日本国語大辞典を繰っても、「清聴 1 清く聞こえること 2 他人が自分の話などを聞くことを敬っていう語」と書かれている。

どう読んでもそのような制限がかかっているようには読み取れない。

これはこれまでのこの言葉の用法を精査しての発言だったのか。

それとも「相当地位の高い方からのご指摘」を簡易に広めたものか。

どちらともつかないが、その講座を受講した別の講師が、ご自身の講座の最後に「アッご清聴ありがとうございましたは使っちゃいけないんでしたね!」と言い出し、別の講師が「いやでもスライドで文章で出す分にはいいといってませんでしたっけ」と返すという割と素っ頓狂なやり取りが始まるに至って、これはもしや文化が捩じれる瞬間に立ち会ったのではないか、という予感を抱いた。

今後このおそらく誤った用法が広まり、その始まりがいつ頃であったかを調べなくてはならなくなった未来の言語学者のために、ここに記録するものとする。

 

講師の名前は問い合わせが来れば回答する。多分明記したらめんどうなことになるので。

 

【追記】

「相当地位の高い方からのご指摘」が「ご清聴」と「ご静聴」を誤認していた可能性があることに気づいた。脳みそを謹んで頂きたい次第である。