「『AKIRA』の音」
日本科学未来館でAKIRAの音楽をテーマにした展示、「『AKIRA』の音」が行われていると知った。大友克洋先生もAKIRAも芸能山城組もまるごと大好き、こと芸能山城組の音楽については原初の憧れに近い執着があるので行くことにした。ところで日本科学未来館には常に食に恵まれない印象がある。今回もGoogle先生と食べログさんにお伺いを立てたがめぼしくなかったので乗り換えの新橋で弁当を調達した。8時から開いており大変ありがたい。
ゆりかもめに乗車する。こんな華奢な車両で盆暮れにあれだけの人数を運んでいるのか。えらいなぁ君は。
事前予約のチケット、他所ならメール内のリンクにアクセスすればすぐにQRコードが表示されるものだがなぜかリンク先でメール内のIDと電話番号の入力を求められる。地味に面倒なうえに必要な手順とも思われないので改善を求めたい。なおチケットは予約せずとも買えるが並ぶ。
展示は3階有料展示を入り右手奥に進んだところの『零壱庵』で行われている。観覧は毎回17名まで、先着順整理券方式、上映時間はプレリュード7分、本編15分の合計22分、上映は10:45から30分毎、最終上映16:15。入ってすぐの通路にザオウリの仮面、「金田」楽譜、ガムランの展示、その奥の部屋に3つのスクリーンと96Hzまで再生できる6台のスピーカー、17脚の椅子が配置されている。
打楽器ジュゴクと合唱、DTMシステムによる電子音楽からなる「金田」。当初のタイトルは大友克洋監督による「祭」。
南アフリカ、コートジボワールの熱帯雨林に住むグロ人の付けるザオウリの仮面。
オワァァァァ―。
サイコーですよね。
プレリュードでは、作曲者である山城祥二が民族学者・脳科学者でもあること、AKIRAにある”破壊からの再生”という世界観が山城氏の研究”細胞の自己解体”に重なる部分があったこと、AKIRAの音楽は山城氏がフィールドワーク中に出会った様々な音源が有機的に結合したものであることなどが明かされる。
例えばコンゴ民主共和国の地上最大の熱帯雨林イトゥリ森で山城氏が体験した人間には聞こえない高周波を含む熱帯雨林の環境音。インドネシアバリ島の竹製打楽器ジェゴグ、金属製打楽器ガムラン。エチオピア連邦民主共和国ゲレ族の祈祷における息づかい。日本の能、読経、声明におけるビートや旋律、和声。
本編ではそれらの音源で構築された音楽を用いた3つの場面が上映される。
「金田(KANEDA)」~「クラウンとの闘い(BATTLE AGAINST CLOWN)」 大友克洋はこの場面の音楽は”祭り”と”レクイエム”の2本柱で作ってほしいと注文したそうだ。ジェゴグとねぶたの跳人の「ラッセラ」、ゲレ族の祈祷に寄せたひずんだ息遣い、天の怒りのように不意に打ち下ろされる大太鼓の響き。迸るような生と唐突な死。もちろんこの曲に載せてあの”ピーキー”と金田のバイク・スライドブレーキ・シーンが拝めます!
「鉄雄」覚醒シーン。人間の声によるコーラス、人間の可聴域をはるかに超える音域をもつガムラン、シンセサイザー、平太鼓。ガムランの心をざわつかせるけたたましさが鉄雄の膨大な超能力の覚醒を表している。
「未来レクイエム」金田と鉄雄の出会いの回想シーンから万物がAKIRAに飲み込まれてゆくシーン。死にゆく生命の鎮魂がテーマ。「ラストシーンの無音の世界に聞こえてくる音楽は人の本来の声が生かされた美しさと力強さをもった合唱曲であってほしい」(大友克洋)。ここで流れるのは鎮魂歌、オルガン、バリ・ヒンドゥー教の僧侶による勇者へのマントラ(讃歌)、不規則な乾いたパーカッションは鳥追いのピンジャカン。
と書いては見たもののあれだけ見たのに記憶が揮発しておりシーンと音楽の照合が取れておりません。間違いがあったら是非ご指摘ください。
最後に山城氏の言葉を。
「この先にありそうな”何か”への予感 それを信じて冒険すること それは”解体”と”新生”の宇宙像に結晶する」
(大友克洋『AKIRA』6巻より)
これらの音楽は下のサイトで試聴できる。ぜひ試聴して脳髄の普段使っていない部分をブン殴られていただきたい。
刷毛じょうゆ 海苔弁山登りさんの「海」
さて。
6階の食堂が持ち込み可であることを店員さんに確認の上、遠くにユニコーン・ガンダムが臨めるソファで弁当を使う。
食堂はオペレーションがよろしくないようで、あっという間に長蛇の列である。
刷毛じょうゆ 海苔弁山登りさんの「海」、1250円。こちらは焼鮭、ちくわの磯部揚げ、白滝の鱈子和え、法蓮草ナムル、卵焼き、大根漬物という構成である。このうち焼鮭が頗る美味い。ハラミのような魔的な脂を帯びておりながらくどくなく、身はふくらかながらさっぱりしており、骨は長くとりやすい。この鮭の切り身を扱ってる魚屋教えてもらうためなら多少弾んでもいい。あと大根の漬物!甘くてさわやか!大根の雑味が全くない!どうやればここまで雑味を無くせるのか見当もつかない。大変満足のいくお弁当であった。
ダイバーシティ東京ユニコーンガンダム
後チューリップがようけ咲いてた。
ダイバーシティ東京でガンダムベースなど覗いてみようと思ったら整理券方式なのになぜか三重くらいの列ができていたので諦めた。北海道うまいもの館で夕張メロンとミルクのミックスのソフトクリームを頂いたところ350円なのに6巻で写真より多くてうれしい難儀だった。あとなかなか本土では見つからないといわれるソラチのしゃぶしゃぶのたれを見つけて幸せになった。
そのあと退職してしまう同僚に勧められたGUのおしゃリスタ接客でおそらく女子力が高いであろうお召を購入した。私のパーソナルカラーは秋でグリーン系からブルー系が似合うのだそうだ。大変美しいターコイズブルーのシャツを勧められてうれしかったので大事にしよう。しかしこんなもの買ったはいいが着ていくところがない。とりあえず同僚に見せるために職場に着ていく所存。
本日も充実した休日であった。