即興厨房

大船市場で野菜を大量に買い込んでええ感じのお総菜を一週間分作ってはブログに記録する人です。器は骨董屋でこつこつ集めたぐい飲みやお猪口です。美術展、本、たまの旅行も記事にします。好きな動物はチー付与のどんぐりです。

アンティークのコップに合わせるコースターの話

鎌倉のジラソーレで美しいコップを買った。

冷茶を入れると映えるので愛用し始めたところしずくが垂れる。

コースターが必要である。

高校の頃に鎌倉の骨董屋で買ったコースターを出してみたが、どうも合わない。

同じような風趣のものをメルカリに探しに行ったところ、好みの品を見つけた。

こういうのが3つで780円で出ているからメルカリは恐ろしいのだ。

金属部分に錆が浮いているが、それもまた味わいなので早速購入した。

届いた商品は出品写真より美しく見えた。コップにも実にそぐう。

大変満足して、どれ、少しくらい磨いてやろうと思い、スポンジに磨き粉をつけ、金属部分の、それも外側だけを注意深く磨き始めた。

もとより錆を取りきるつもりはない。ただ地金が少しきれいになればいい。そのくらいの気持ちで磨き、そろそろと思って水で流したところ、裏側の異変に気付いた。

内部に水が入っているのである。

よく見ると、これはいわゆるガラス絵付けのコースターではなく、千代紙を二枚のガラスの間に封じたもののようだった。

えらいことをした。

せっかく美しい状態で引き渡してくださったものを、届いたその日に損ねてしまったか。

このまま中の紙に不可逆な染みが生じてしまったら、私は出品者の方になんとお詫びすればよいか。

そんな風に思いつつも、しかしガラス絵コースターと書いてあったようにも思われて、おそるおそる出品ページを改めた。

やはりガラス絵となっている。

さればこの扱いは私の罪ではない。

とはいえ、私の罪であろうがなかろうが、出品者から引き継いだ以上、同じ状態で次に引き渡す義務はある。

内側に入った水を、紙をなるたけ損ねず、また黴も生やさず乾かすにはどうすればよいか。

冷蔵庫に保管することを思いついた。

冷蔵庫は常に乾燥しており、また低温なので黴がはやる恐れもないだろう。

私は、表の水気を布巾でそうっとぬぐった後、冷蔵庫に入れた。

果たしてこの措置は正解だったようで、3日ほどで裏側のしみはきれいになくなり、受け取ったときとおなじように一面がまっさらの空色に戻った。

 

大事に使います。