即興厨房

大船市場で野菜を大量に買い込んでええ感じのお総菜を一週間分作ってはブログに記録する人です。器は骨董屋でこつこつ集めたぐい飲みやお猪口です。美術展、本、たまの旅行も記事にします。好きな動物はチー付与のどんぐりです。

ウルメイワシの刺身を梅酢、かぼす+藻塩、九州醤油で食べ比べ 何れ甲乙つけがたし

ウルメイワシの刺身が安かったので買ってきて

 梅酢

 カボス+塩

 フンドーキンの甘くておいしい醤油

で食べ比べてみた。

 

梅酢

鰯の類は梅干しで煮たり梅肉の叩いたのを天盛にして頂いたりするのだから合うだろうとは思っていた。箸で刺身を摘み梅酢に付けると瞬時に身が引き締まり青魚なりの癖が梅の香りですっ飛ばされる。これを端から梅酢締めにするとなると鹹味が強いので酒と合わせる必要があったりそうなると昆布を入れたくなったりするだろうし一方で身が硬くなりすぎたりしょっぱくなりすぎたりしないよう漬け時間を調整する必要があったり何かとややこしくなるだろうが頂くときに付けるだけなら難しい段取りは必要ない。今後も鰯の類には積極的に適用したい。

 

かぼす+藻塩

鯛などのきれいな香りの刺し身であれば塩だけでもたぶんうまいのだ。しかしウルメイワシはどうしたって青魚なのでやはりそれなりの癖がある。そこにかぼすを合わせると青く爽やかな香りが立ち上がりウルメイワシの身の美味さだけを口中に届けてくれる。またカボスのもつ独特の苦さが味わいに複雑さをもたらすことも特筆したい。ウルメイワシそのもののうまさを堪能できる優れた組み合わせである。

 

フンドーキンの甘くておいしい醤油

普通に醸造した醤油に砂糖をぶち込むという暴虐的合理的な仕立ての九州醤油。使うたびに「砂糖入れたらまぁなんでもうまくなるよな」と思っていたんだがウルメイワシもしかり。メイド服を着せると女性のかわいらしさが一定程度底上げされるがその一方でよほど個性がないといくばくかメイド服に負けるものだ。同様に刺身も「砂糖醤油で美味しくなりましたぁ」という具合に美味くはなるのだがそれぞれの魚の持ち味がちょっと遠くなる。まぁメイド服砂糖醤油には勝てんわな。最後の一口はこちらにした程度のデザート的な美味さ。

 

というわけで、今回は三者三様それぞれのよさがあり嬉しい引き分けであった。幅10センチくらいの半身が8切れ、普通にいただくと飽きるところを逆手にとって遊んだ次第。