即興厨房

大船市場で野菜を大量に買い込んでええ感じのお総菜を一週間分作ってはブログに記録する人です。器は骨董屋でこつこつ集めたぐい飲みやお猪口です。美術展、本、たまの旅行も記事にします。好きな動物はチー付与のどんぐりです。

【2022年2月23日~25日】草津温泉最終日:白旗の湯、甘味処篠、千代の湯、熱の湯、光泉寺、白根神社、草津煎餅本舗、龍燕【草津温泉湯めぐりの旅】

ウクライナ情勢が気になるので7時のNHKニュースを押さえてから未履修の白旗の湯に向かった。公衆浴場なので有料・貴重品ロッカーなし、入って左手に脱衣棚、右手に広い浴槽を二つに仕切って浅く適温の湯と深く高温の湯の二つがあるという作りである。このころには草津温泉の入り方にも大分慣れたもので、まずはかけ湯をして浅い湯に入る。適温では満足できない体になったのか、早々に高温の湯に移行。じりじりとつま先を熱でやられる感覚に満足する。こちらもいい湯だ。御座之湯の次にいい。

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三日目の朝食は甘味処篠と決めていた。前日におさらいのつもりでGoogleの口コミを見ていたら予約必須とあってあわてた。ダメ元で開店の8時に電話したところ、基本この時期は休業だが一人なら対応してくださるとのこと。

すぐ来れるかと問われすぐ行くと答え支度し宿を出たがこれが多少距離がある。おまけに休業のところ無理を言ったように思われ自責を抱えながら雪を歩く。坂の中腹の喫茶店の扉を開けると高齢男性が迎えて下さった。無理を詫びると一人くらいなら準備できると言っていただきそれでも恐縮しきりである。

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甘味処篠朝食

あっ。

 

こんなん出てきたら恐縮もへったくれもない。もうもうめちゃめちゃ美味そうではないか。ちょっと写真白飛びしてるけど勘弁していただきたい。それどころじゃなかったんですよそれどころじゃ。

左上から。

筍と小エビのエビチリ。なんでこれが朝食メニューなのかわからんがチリソースが甘くてうまぁい。豆腐は冷ややっこでなく湯豆腐でぬくもりが幸せぇ。納豆は小粒で味が濃いぃ。真ん中はお麩とわかめの味噌汁で沁みるぅ。法蓮草のお浸しのおかか猫まっしぐらぁ。右端の小皿は生姜の甘酢漬け、ちょっと辛いけどご飯に合うぅ。

んで右上の小鉢。これがすごい旨い。何だと思います?鰊の酢漬けなんですよ。白菜の漬け物かなんかだと思ってたからこれはうれしい!パーフェクトだウォルター!

でね、これがなんぼだと思います?

驚きますよ。

500円。

いやいやいやいやおかしいでしょ。おかしい。おかしいんですけどありがたい。なおこれ頂いてる途中にご近所の方が確定申告の困難さを愚痴りつつ朝食食べに来てたんでご近所さん向けには営業してる模様。そんな無理難題言ってたわけでないことが判明しちょっと救われた気分に。なおご飯は大分減らしてもらってます。

というわけでこの記事見て篠さんに行こうと思った人は必ず前日には予約するように。私みたいに当日打診なんて暴力的な行為はしないように。よろしくね!

 

さて朝食で満ち足りたので一旦宿に戻って支払いをし荷物の預かりをお願いする。昨日買っちゃった肉は冷蔵庫での保管をお願いする。嗚呼なんで今日買わなかったかね。人物が衝動的だからです仕方がない!

さて熱の湯の湯もみ見物である。

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熱の湯

建物は千と千尋の湯婆婆の屋敷を意識したとのこと。そうなのか。

プログラムは、動画での草津温泉の紹介のあと、湯もみガールズによる草津節の踊り、草津節での湯もみ実演、更にちょっと激しめの草津湯もみ唄での湯もみ実演でフィニッシュとなる。んでこちらの湯もみガールズ、ものすごく唄がいい。これが草津節かぁと聞きほれるようなうまさである。

湯もみガールズによる草津湯もみ唄の実演激しめのクライマックス

結構腰にこたえそうな激しめのパフォーマンスである。感動した。

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熱の湯 天井

あと天井がかっこいい。

その後一旦宿に戻ってリュックを預けてからこちらも未履修の公衆浴場千代の湯に行った。千代の湯は観光客が入湯を許されている中で一番地元感を味わえる湯であろう。何しろ浴場につららが下がっているんである。これで湯が熱くて入れなかったら確実な死であるがそこまでではなかった。簡素な引き戸を開けると手前に脱衣棚、奥にごく小さい湯船がある。そして脱衣所の脇につらら!窓枠には吹き込んだ雪!床にはなんだかわかんない氷の塊!

ちょっとマジで寒いのでアレだがこれが本来の公衆浴場の姿なのであろうと思った。

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バスの出発は2時半なのでそれまでのあいだ寺社参拝や土産のおさらいをすることにした。まずは湯畑正面で「なんで来ないの?」とずっと言いたげだった光泉寺に参拝する。

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光泉寺

敷地内にものすごくいい感じの釈迦堂がある。

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光泉寺釈迦堂

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光泉寺釈迦堂

うわぁ、いいなぁ。

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光泉寺釈迦堂

いいなぁ。

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光泉寺釈迦堂

いいなぁ。

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光泉寺釈迦堂

いい。

こちらの釈迦堂は元禄十六年八月に江戸の医師外嶋玄賀宗静の発願によって建立されたものとのこと。んでもって納めてある釈迦如来は製作から300年を経て東大寺公慶上人の作であることが確認されたことから遅咲き如来と呼ばれている由。自分も人生未練がましい質なので何となくお守りを買った。

 

それから白根神社に詣でた。

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白根神社

こちらには、なんかこう…沼神社というものがある。

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沼神社

白根山芳ヶ平の湿地帯に小不多沼があり、そこに祠があったことから沼神社とのこと。

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沼神社由来

別に腐ってる女子がはまるアレとは全然関係のない神社ではあるが、なにやら感ずるところがあったので生まれて初めて御朱印を頂いた。

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白根神社狛犬

ところで君、凛々しい顔してるがマスクだけでいいのか。

 

西の河原商店街のするがや商店で映画でルシウスが使ったという手ぬぐいを350円で買う。ミーハー。

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するがや商店てぬぐい

それから松むらまんじゅうに行って15個入りをお土産として買った。

 

気になっていた草津せんべい本舗に寄った。店の菓子は全部国産材料で手作りしているという。店主らしい老婦人から草津もチェーン店が増えたという愚痴を聞いて、つい、自分は逗子ですが鎌倉もチェーンが増えて味気ないです、滝乃湯の近くにあったジェラート食べ放題の店も鎌倉にあったように思われます、などとあてどない話をする。ホテルもチェーンが増えたと不服そうだったので、自分は日新館に泊まりましたというと、あそこは古い、今喫茶店があるところは昔露天風呂だったという話をされ感心する。老婦人は若い時分の修学旅行で鎌倉江の島に行ったそうだ。そこから孫娘の話になり、孫娘は県内に住んでいて修学旅行のかわりの日帰り旅行が草津だった、うちの店に寄ってくれたからお友達にせんべいをふるまったら孫娘がアレルギーの有無を確認していたという。気の回るいいお孫さんである。あれこれ話しているうちにどうにもせんべいが欲しくなり、荷物の容量がぎりいけるということで8種組み合わせを850円で買った。鉱泉せんべい2袋、みそせんべい1袋、草津の湯1袋、草津せんべい5種一枚ずつあわせたお楽しみパックである。食べたら随時感想を書き加えていく所存。

 

別記事にしました:

nekohannryourityou.hatenablog.com

 

朝食がいまいち未消化だがもう一つ行きたかったお店を訪ねる。中華料理屋龍燕である。

こちらで

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龍燕焼き餃子

焼き餃子600円と

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龍燕春巻き

春巻き300円と

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龍燕おかげしゅうまい

おかげしゅうまい250円を頂く。

白菜と豚肉炒めの入った春巻きがとろとろで一等美味しかった。しゅうまいはごつごつと肉らしい食べ応えがある。焼き餃子は普通。

 

これで草津温泉でやりたかったことは一通り完遂した。

 

時間の余裕があったので再度ゆきうさぎでミルクティーをいただく。カステラを食べるかどうか随分迷ったが胃袋に空きがなかったので涙をのんで見合わせた。

バスターミナル3階の温泉図書館に行く。お前はまだ群馬を知らないが全巻揃っていてしたり顔になる。草津温泉双六が面白かった。ああいうのを絵葉書にして売ってくれたらいいのに。草津温泉の配湯用の木管は7年物の赤松を使うそうな。

 

高村光太郎草津温泉を詠んだ原稿の展示があった。

 

草津

 

時間湯のラッパが午前六時を吹くよ。

朝霧ははれても湯けむりははれない。

湯ばたけの硫気がさっとなびけば、

草津の町はただ一心に脱衣する。

 

原稿では「昇華」が「脱衣」に推敲された跡があり、なるほど脱衣のほうが相応しいと思われた。

 

帰りの長距離バスでせっかくの身体のくつろぎがリセットされてしまうのではないかと懸念していたが、存外そうはならなかった。草津温泉の効果は根深いようだ。

 

また行こう。

 

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