即興厨房

大船市場で野菜を大量に買い込んでええ感じのお総菜を一週間分作ってはブログに記録する人です。器は骨董屋でこつこつ集めたぐい飲みやお猪口です。美術展、本、たまの旅行も記事にします。好きな動物はチー付与のどんぐりです。

【2022年2月23日~25日】草津温泉初日:TEA ROOM ゆきうさぎ、地蔵の湯、西の河原露天風呂、御座之湯、三國屋【草津温泉湯めぐりの旅】

八重洲南口9時10分発の長距離バス湯めぐり号で草津温泉へ。

女子旅やカップルなどの若い人たちで満員となり驚愕する。草津なんだからもっと妙齢のご婦人が多いとばかり思っておった。

(妙齢の人々はこのような安価な足は使わないということか・・・?)

草津気分を盛り上げようとダウンロードしていたテルマエ・ロマエの視聴を始めたがすぐに原作が恋しくなった。なんだあのオペラ歌手は。やりたいことはわかるが面白くないぞ。とうとう耐えられなくなってこれもダウンロードしていたJUNK HEADを見はじめた。しかしこれもなんかウキウキな湯巡り旅の導入には合わない気がして結局アプリでニュースを見たり寝たり風景を見たりして過ごした。

バスは上里サービスエリアに寄った後ほぼ定刻の13時10分に草津温泉バスターミナルに到着。ありがとう運転手さん。

伊香保温泉のあたりから景色が白くなり、ビーンブーツを履いてきてよかったと思った。

 

ところどころに根雪の残る坂を下って、まずはTEA ROOM ゆきうさぎに寄りミルクティー680円とクリームカステラとスコーン700円を注文する。

店内は白を基調とした落ち着いたつくりで大変居心地がいい。テーブルの配置に余裕があるのでキャリーバッグでも恐縮する必要がない。

f:id:nekohann:20220227002744j:plain

TEA ROOM ゆきうさぎ

店員さんの案内通り、ミルクティーはちょうどいい温度濃度に調整してある。スコーンのガワは歯ごたえありながら中は柔らかく小麦が香り大変おいしい。カステラは分厚くてややきめが粗く甘さよりこくが先に来るうまさ。しかしこういう背が高く弾力があってフォークがずぶずぶと沈む切りづらい焼き菓子にどうアプローチするのが正解なのか。私ははがしましたよ。その方が二倍楽しめますからね。しかしうまい。何より居心地がいい。帰りにも寄りたくなるほどに。

 

(実際帰りにも寄った)

 

カステラとスコーンだけではおなかが足りなかったので湯畑脇の頼朝さんで温泉卵を頂く。

f:id:nekohann:20220227005011j:plain

頼朝の温泉たまご

f:id:nekohann:20220227005226j:plain

頼朝の温泉たまご

この温泉たまご、湯畑の目の前という絶好の場所にありながら温泉の熱を利用して作っているとは微塵も言っていないところがなんか潔い。ほんとのところどうなのだろうか。まぁそんなことどうでもいい。美味いたんぱく質をありがとう。


ようやくおなかがくちくなったので宿に向かう。今回は草津温泉で一番古い宿の日新館さんに1泊1万1000円で素泊まりをお願いしている。旅館のごはんは食べる品も量も調整できないため悪くはないんだろうがどうも敬遠しがちだ。小食ゆえ旅の間は貴重な空腹を浪費するわけにはいかないのだ。心地よい旅のためには常に腹八分目を心掛けねばならんのだ。

f:id:nekohann:20220226201823j:plain

こんなに広くて落ち着く空間が私一人のものだキャッホーイ!

つららだー!

f:id:nekohann:20220227004817j:plain

日新館

f:id:nekohann:20220226202036j:plain

広縁だー!

f:id:nekohann:20220226212347j:plain

温泉まんじゅうだー!

 

持参したエコードットを設定し、抑えた音量でジャズをかけた。茶碗では量が物足りないのでマグボトルに旅館が用意してくださったティーバッグを入れ湯を注ぐ。温泉だからがばがば茶を飲むのがよいのだ。なおこちらの茶葉、うまみがこく長く滲出しても渋みが出ず旅館用として非常に優れた茶葉であった。

 

さて、本日の湯巡り予定は、地蔵の湯、西の河原露天風呂、御座の湯である。

口開けにお風呂セットだけ持って宿至近の地蔵の湯に向かう。地蔵の湯は公衆浴場のため鍵付きロッカーがなく余分な荷物を持ち込めないのだ。

地蔵の湯には洗い場も脱衣場もない。浴場に入って左手に棚があり、右手に四角い浴槽がある。実に簡素で無駄のない作りである。浴槽は4~5人がせいぜいの広さ。かけ湯をして入る。通常の我が家のお風呂の温度設定よりおそらくやや高めだが、かけ湯を念入りにすれば身もだえすることもなくしんみりとなじめる心地よさ。若いころは湯あたりしやすい印象で温泉を敬遠していたため湯巡りを目的とした旅は生まれて初めてだが、これは心地がよいものだ。旅の口開けから全く以て縁起が良い。

ここでのちの実験のため温泉水を汲み置いた。

www.onsen-shinsengumi.com

一旦宿に戻り、カメラの入ったリュックを装備してから西の河原露天風呂に向かった。

f:id:nekohann:20220227010201j:plain

西の河原公園

こちら温泉がそのまま川となっており、若人がところどころに設けられた足湯を楽しんでいる様子が散見された。

f:id:nekohann:20220227010328j:plain

西の河原公園

f:id:nekohann:20220227010357j:plain

西の河原公園

根雪残る西の河原の水面より立ち上る湯気の目に柔らかく

 

さて西の河原露天風呂はどうだったかというと、実は地蔵の湯が良すぎたせいかあまり感慨がわかなかったのである。

こちらは三湯めぐりの一であるため入口で1600円で手形を購入できる。入ってすぐに貴重品用の小さな無料ロッカーがあり、脱衣場に100円の荷物用のコインロッカーがある。脱衣場には棚があり、そこを出るとすぐに広大な露天風呂が広がる。空は広く、硫酸ガスの匂いもする。はればれと心地よかったが、地蔵湯ほどの感銘はなかった。

www.onsen-shinsengumi.com

 

そのあと御座之湯に向かった。湯畑至近にある手形で入れる温泉である。

こちらはいい。実にいい。浴槽は二つあり、万代源泉と湯畑源泉のお湯を楽しむことができる。浴場の天井は高く、白木づくりで広々と清潔感がある。もし草津温泉で一つの温泉にしか入れないとしたらここを選ぶ。どちらの浴槽が好きかと問われれば万代源泉だ。貴重品用ロッカー、荷物用ロッカーあり。

ここでものちの実験のため温泉水を汲み置いた。

www.onsen-shinsengumi.com

御座の湯二階の大広間から湯畑を臨む。

f:id:nekohann:20220227012550j:plain

御座之湯から臨む湯畑

帰りに湯畑近くのホテル一井さんの土産物売り場に行き念入りに土産を検分する。プリントクッキーは面白くないしまんじゅうはカロリー重量ともに重いだろう。後うちの主任は甘いおやつを敬遠している。

検討の結果、職場のバラまき用にグンマ―のペヤング焼きそばソースカツ50個入り648円、チーム用にJR東日本グランプリ2020年グランプリ受賞の下仁田葱えびせん864円を買った。すいません自分が食べたいお土産しか買いたくないんですぅ。

 

あとルシウスセットを買った。1本140円。

f:id:nekohann:20220227184213j:plain

ルシウスセット

さて、地蔵の湯と万代源泉の温泉水を手に入れたので、一旦宿に戻って実験に取り掛かることにした。酸性の溶液から影響を受けそうなメンバーとして、鮑の殻、玉子、米1セント、米5セント、アルミホイルを持ってきた。これを計量し写真に撮った後、プラスティックドリンクボトルに採取してきた酸性度の異なる温泉水に入れ変化を観察するのである。

なお日本の小銭で実験しなかったのは、貨幣損傷等取締法で叱られるからである。

しかしのっけからトラブルが。

玉子がボトルの口につっかえた。

 

ええー?

何で試してこなかったのぉ?

いけると思ったのぉ?

 

まぁやってこなかったもんは仕方ない。

幸い直径ぎりぎりのようなので、ゆっくりと上から手で押し込むことにした。

ぱき。

ぱき…?

 

罅が入った。。

 

まぁ粉々になったり白身が出たりしていないからヨシ!

f:id:nekohann:20220227014643j:plain

草津温泉水実験

入れて10分ほどで、万代源泉の温泉水に入れた玉子と貝殻の表面に細かい泡が付き始めた。早速何かが始まったと見える。1セントもピカピカしてきたように思われる。地蔵源泉には泡の発生などの変化はないが1セントがきれいになったような気がする。

楽しい。

小学生の自由研究にオススメできそうだ。

 

その後晩御飯をいただきに牛肉が得意な蕎麦屋三國屋さんに行く。きざみ鴨せいろ一合1050円とあぶり肉寿司610円をお願いする。

f:id:nekohann:20220227013431j:plain

三國屋 きざみ鴨せいろ

f:id:nekohann:20220227013505j:plain

三國屋 きざみ鴨せいろ

f:id:nekohann:20220227013539j:plain

三國屋 あぶり肉寿司

鴨せいろは正直もう少し鴨肉が入っているかと期待していたがそこまでではなかった。鴨と銘打っているとはいえつけ汁に何を期待していたのか。しかしやや辛めのつけ汁はくっきりと返しがきいていて鴨の脂のうまみが溶け込んでいて蕎麦と併せてなかなかに美味い。それよりなによりあぶり肉寿司だ!運ばれてくる段からこんがりと焼けた肉の美味い香りが漂ってきて人を落ち着かなくさせる。醤油と玉ねぎで仕立てたたれを塗ったローストビーフとやや酢を強めに聞かせた飯はこんなに相性がいいのか。とにかく香りが魅惑的でたまらん。いい肉は美味いなぁ。

 

宿に戻ってようやく宿の風呂に入る。こちらは湯畑源泉を引いており、女性風呂には適温と高温の二種の温度の浴槽がある。最初適温で慣れた後で高温に入ると実に気持ちがいい。指先がじんじんしてきて体中が熱に侵襲されているような錯覚を覚える。それなのにいつまでもこの湯の中に長居したいという気持ちになる。割と長く入っていたと思うが、上がった後も湯あたりしなかった。不思議な湯である。この湯に会うためにまたこの宿に泊まりたいと思う。

さて、お風呂あがったところで小腹が空いたのでいよいよ温泉まんじゅうを頂くとする。

f:id:nekohann:20220227013159j:plain

こちらのやまびこ温泉まんじゅう、あまり皮が舌に触らないタイプの粒あんで、餡にものすごくコクがある。口の中のこくを感じる神経細胞をぐぐっとおされるような感じだ。皮もしっかりしており全体質実剛健な印象である。うまい。

 

呑気にしている間にいよいよウクライナが大変なことになっており、NHKを見たりアプリでニュースを探したりツイッターに転がってる情報を拾い集めたりした。ことを始めた当人の発言に覚えるずれはおそらく意図的なもので、たぶん、戦争が始まった時、だれもかれもが目撃するものなのだろう。

 

押入れから毛布を出して寝床を好みに仕立てた後、宿の本棚から借りてきたとろける鉄工所を読みながら眠りについた。

 

これが草津温泉の初日である。