はじめに
第五中足骨を骨折、腫れが引いた一週間後にギプスを装着、土踏まずらへんにギプスの上から包帯で巻く形でギプスヒールを設置された。
ギプスヒールとはこのようなものである。
(画像引用元:ALCARE)
ギプスのみの装着だと外出時にキャストシューズなどを履くことができる。しかし包帯でギプスヒールを固定されるとキャストシューズを利用できない。
ギプスヒール生活において、外出、入浴、雨などをどうやって乗り切ったか、または乗り切れなかったかをここに記録する。
なお、私は骨膜に骨が干渉しなかったようで、最初から最後まで骨折部位にほとんど痛みを覚えなかったがおそらくこれは稀有な事例である。普通は痛くて歩けないだろうからその場合は無理せず養生していただきたい。一日8000歩とかアホかと思う。
外出しよう
ギプスの高さに合う履物の作り方
準備するもの
甲の部分も長さ調整できるベルトのついた厚底サンダル
サンダルと同じサイズのビーチサンダル 夏場ならダイソーにあるよ!
作り方
- ビーチサンダルの鼻緒を切る。
- サンダルの底に設置する。
- 足を入れベルトの長さを調整する。
ギプスに厚みがあるところにギプスヒールを装着すると左右に相当な高低差ができて大変歩きづらいためこのような履物を考案した。なおギプスをはめた方のビーチサンダルも後で使うので保管しておこう。私は捨てたので買い直す羽目になった。冬どうするか気になったがサンダルの中に靴下履けば多少は何とかなるかな。
弁慶の泣き所をギプスから保護しよう
ギプスが膝の下あたりの骨に干渉して甚だ痛む。ダイソーで使えそうなものを探した結果、低反発インソールパッド(土ふまず用)を二つ重ねてギプスと骨の間に挟むと良いことを発見した。
参考にされたし。
衛生と清潔に配慮したギプスヒール運用の工夫
さて、ギプスヒールで外出する際気になるのは衛生面である。
家ではギプスヒールのみでのびのび過ごすとなるとギプスヒールを土足にしない工夫をせねばなるまい。
そこで
一定程度の摩擦係数が期待でき
耐水性があり
できればギプス全体を包み込めるようなもの
を探す必要に迫られた。
そんな都合のいいもんあるかぁ!と思っておったが、以前キャン★ドゥで工作用に買っておいた30cm四方の正方形のシリコンキッチンマットが条件を満たしておった。
玄関のたたきにマットを敷き、中央に足を乗せ、ギプスを包み、足の甲と足首の境目で固結びにすると完璧である。
力がかかっている間は摩擦で解けず、しかし結んだ部分を引っ張るとシリコン特有の粉っぽいなめらかさのおかげで簡単に解ける。
つま先と踵のピロピロは足のサイズに合わせて丸く切り落とした。
歩行時の注意
アスファルトは快適、グレーチング(道路の溝にある格子状のアレ)までは問題ないが、滑らかな敷石、視覚障碍者用タイルあたりになると思いがけないくらい滑る。地面と平行に慎重に接地すれば滑らないのでご留意の程。
耐久性
摩擦で破れてくるが一日8000歩歩いて3日くらい持つ。
入手方法
現在のキャン★ドゥにおけるシリコンキッチンマットの販売状況は未確認だが、アマゾンで30×40cmのシリコンマットがランチョンマットとして販売されているので切ればよいと思う。
最初は激落ちくんでギプスヒールとギプスの接地面を拭いてやり過ごそうと思ったが、なんかやっぱバッチィ感じがしてこの方法に落ち着いた。
シャワーを浴びよう
準備するもの
膝上くらいまでの大きさのレジ袋
大きい輪ゴム2本
22cm幅のサランラップ
装着方法
これで割と何とかなった。割と何とかとは「シャワーから出たらちょっとだけレジ袋の底に水がたまっているがギプス自体は濡れてない状態」という程度の意味合いである。サランラップの幅は試行錯誤の結果22cmとなった。30cmだと甚だ巻きにくく、15cmだと水を防ぎきれない。22cmが最適解である。私の屍を越えて行け。
干し方
風呂場のタオルバーに洗濯ばさみで挟んで干しておき入浴時に裏返すとよろしい。
便利な市販品
なお探したらこういうものがちゃんと市販されておる。気が付くのがもう少し早かったら導入してたと思うんだがなんかレジ袋で行けたので結局買わずじまいとなった。
雨の日の外出について
軽い雨の日、ちょっと強度のあるヨドバシカメラのレジ袋にギプス足を入れ、その上からシリコンシートを二重に結んで出かけた。シリコンシートは無事だったがレジ袋の親指部分が破けておりそこから衛生的によろしくない水が少しばかり入り込んでいた。もう少ししっかりしたシートで作られた袋と足先を保護する丈夫な袋があれば行けるのではないか?ダイソーに行って使えそうなものを探したところギプス足全体が入るサイズの自転車の前カゴカバーとつま先がちょうど入るくらいの大きさの調理用のシリコン袋を発見した。これで行けるのでは?
結論から言おう。失敗であった。
前カゴカバーにギプス足を入れ、調理用シリコン袋を足先にはめ、その上からシリコンシートで包み結んだ。シリコン袋は破けず且つ滑りにくく、シリコンシートあわせ歩き心地は悪くなかった。しかしシリコンカバーとシリコンシートの間あたりで前カゴカバーに穴が開き、そこから水が滲み込みギプスの足先を濡らした。気持ちは悪かったがあまり気にせず歩き回った結果翌日になってギプスの中に擦り傷ができるという惨状に至った。これまでは特段問題がなかったので、濡れたことで皮膚がふやけ弱くなったと考えられる。擦り傷ができた個所は中指の爪の下あたり、歩くたびにやすりで削られるようなものなので痛くないわけがない。ギプスの中だから消毒できない、絆創膏も貼れない、ジェルクッションや布を挟んでやり過ごそうとしたがどうにもならない。骨折よりよっぽど痛い。職場でしおしおしていたら同僚が寄ってたかって破傷風だの溶連菌だの恐ろしいことを言い立ててくる。とりあえず電話で病院に症状を伝え対策を聞いたところ予定より2日早いがギプスを外すという話になったので早退して病院に行った。考えてみれば次の日病院が休みだったのであのとき決意しなければどこかで立ち往生の憂き目にあっていたはずである。不安を煽ってくれた同僚よ有難う。
なおこの惨状はもしかしたらすっごい豪雨の日に出勤したためかもしれない。しかし結論としては、私は未だにギプスヒールの雨天装備の解を見いだせずにいるのである。足先をサランラップで巻いておけばよかったろうか。
ギプスを外すときの心構え
ギプスは丸鋸で切り外す。その際
えっこれ皮膚切ってない?流血してない?
等と思う程の割と厳しい痛みを覚えることがあるが、
- 痛みは実のところただの摩擦熱で皮膚が傷ついているわけではない
- ギプスの下の足はもこもこで包み保護されているので心配する必要はない
- 熱ければ我慢せずお医者さんに伝えよう 丸鋸を水で冷やしてから作業を再開してくれる
ということを覚えておくと気が楽である。
シーネについて
ギプスが無事外れたらその後足の裏にシーネというアルミ板の上にもこもこを貼ったものを設置することになる。私の場合シーネのサイズは足指の付け根から土踏まずと踵と境目くらいまで。足の裏は直接アルミ板に接するわけじゃなくてもこもこで保護されてるから安心だね!
違う。(ブレイバーン風に)
確かにアルミ板の面にはもこもこが貼られているが縁はむき出しである。そういうものを布テープで足の裏に貼りつけ包帯で固定するとどうなるか。
土踏まずと踵の境目がむき出しのアルミ板と接触し、歩いているうちに線状の靴擦れが生じるのである。
これまた痛い。非常に痛い。なんでこう処置によって骨折以上の痛みを味わう羽目になるのかわからんくらい痛い。というわけで、シーネ装着時に
「アルミ板が直接皮膚にあたると靴擦れの酷いやつになるらしいのでシーネを包帯で巻くか何かしてください」
と看護師さんに伝えよう。お兄さんとの約束だぞ!
シーネのアルミ板から足を保護しよう
準備するもの
ガーゼ
百均で売ってるジェルインソール
伸縮包帯
装着方法
- ジェルインソールをアルミ板に干渉されてる皮膚を保護できるくらいの大きさに切る
- ガーゼで包みアルミと皮膚の間に突っ込む
- 包帯で巻く
包帯解いてシーネを自分で保護してから装着しなおせばいいじゃんと思うだろうが包帯巻きなおすのに自信がないのと骨折部位をあんまりいじりたくないためこのようにした。次の診察の際にでもやり直してもらう所存。
シーネに干渉しない履物の作り方
準備するもの
甲の部分にも長さ調整ベルトのついた厚底サンダル
ギプスの高さに合う履物を作った際に余ったビーチサンダル
作り方
- ビーチサンダルの鼻緒を切る
- シーネに干渉する部位にあわせビーチサンダルを切り抜く
- サンダルに設置する
ギプスあんよの消臭について
ギプスをはめていると纏足もかくやと言わんばかりのある種芳しい匂いを放つようになりデスクで仕事していても気になるほどになる。消毒用アルコールスプレーをギプスと足裏の隙間に噴霧したら嘘のように消失した。参考にされたし。