即興厨房

大船市場で野菜を大量に買い込んでええ感じのお総菜を一週間分作ってはブログに記録する人です。器は骨董屋でこつこつ集めたぐい飲みやお猪口です。美術展、本、たまの旅行も記事にします。好きな動物はチー付与のどんぐりです。

【初代ゴジラ未履修、シンゴジ大好き】ゴジラ-1.0観たけどよくわかんなかった【ネタバレしかない】

初代ゴジラ受動喫煙で認識、映画そのものは未履修、シン・ゴジラは大好き。

知人にものすごくいいといわれて視聴したけれどよくわかんなかったのでよくわかんなかったところを書く。

 

10行下からネタバレあり。引き返すなら今だ!

・エンジン不調の特攻機ビバークする島を攻撃したゴジラという巨大生物を迎撃せずしかも生き残っちゃった主人公が責め倒されるわけだが、米軍来襲に対して応戦できず責められるのであればわかるが巨大生物を迎撃できなかった主人公が責められるというのがまずわからん。主人公がそのことを長く引きずって自責する必要性もさっぱりわからんしメンテの偉い人があそこまで責め倒す理由もようわからん。あんなもん想定外だし大きさ質感からして機銃くらいで対抗できなさそうじゃん。そんなものが来襲したのに即時退避命令を出さないのはなぜなのか。島に伝承が遺っていたのであれば島民に生き残りがいたということ、島民が全滅しなかったのは逃げたから、つまり実のところただのメンテの偉い人の判断ミスが原因だったんじゃないのぉ?

・登場人物がシナリオの中にいる人物としか交流してなさそう。これまでの人生も戦後新しい環境に身を置いたことによる変化も全然見えない。具体的にはかわいいお姉ちゃん新しい職場に行って現状を他の人に聞かれたり相談したりしなかったのか?その上で主人公の精神的な閉塞に対して有用なアプローチはできなかったのか?主人公は戦後大いなる転換を見聞きしているはずだがそれでもずっと「本来の敵ではない全く未知の巨大生物に対抗できなかったこと」による自責を続け戦時中のままの精神で居られるのはなぜなんだぜ?米軍に立ち向かわなかったことによる生き残りを恥じるというのであればまぁわからんくもないが相手はあのゴジラぞ?逆に誰なら対抗できたんだよ。好きで固執してんのか?

・復員してきた主人公を自分の息子が生きて帰らなかったことを理由になじり倒す近所の面倒見のいいおばさんの精神性がわからない。彼女は反戦運動をしていた類の人物とは描かれていなかったと思うので、少なくとも戦時中はお国のためにつらさを隠して息子を送ったはずである。帰ってこない息子、終わる戦争、民主主義への転換の潮流に身を置いていれば、自分の行いに相当な葛藤があってしかるべきである。そのような葛藤を経た人間がなじり倒すだろうか。戦後バイアスがすぎるのではないか。

・最後のナントカ作戦、それこそ日本の存亡をかけた作戦のはずなのに「ゴジラの背中が光ったら内閣総辞職ビームの合図だぜ!」というとても大切な情報すら共有されていなかったようで乗員がみんな驚いて防御姿勢は取らねぇしろくに目を庇うことすらできていない。あれでは下手したら網膜が焼き切れて視力が死ぬと思われるが皆即座にイキイキと作業に戻っているのはなぜなんだぜ?主人公が内閣総辞職ビームの後にタメがあるのは認識しているのだからその前の背びれビカーガシャンガシャンが内閣総辞職ビームの先触れであることはわかるはずだ。まぁ1万歩譲って背びれビカーガシャンガシャンが先触れであることがわかっていなかったとしてもゴジラ内閣総辞職ビームを行使することはわかってるんだから皆さんサングラスぐらいかけなさいよ。

・こいつどうかしてんじゃねぇかレベルで主人公の報連相がなさすぎる。一番ひでぇのがさぁ、知らん子どもかも知れないけどさぁ、ちびっちゃい子どもを夜の夜中に捨ててって(あえて捨ててというぞ)隣のおばさんに金と置き手紙だけで後をよろしくってのはさぁ、いくらなんでも人としてダメだろう。言えよ!事情は言わなくていいけどきちんとおばちゃんに託す旨を自分の口から言いなさいよ!おばちゃんにだっておばちゃんの人生があるんだぞ!

・あの作戦に関わっていた人、ゴジラ上陸時にご近所にいた人は全員放射線障害で死ぬのでは?後上陸のあった土地はもれなく禁足地となるのでは?そっちの方が被害甚大では?

・登場人物に一人も頭のいい人がいない。どいつもこいつも視野が狭く近視眼的な行動しかとっていない。集められる情報が僅少であったとしても情報はすべて集め切り十全に情報共有し専門家を総動員し様々なパターンを想定して二の矢三の矢四の矢くらいまで打つ手を設けておいて初めて作戦と言えると思う。それがなされていない。主人公に限らず報連相が出来ない。このあたりをきちっと描いてくれたからシンゴジが好きだった。シンゴジが好きな人にとっては隔靴掻痒な映画だったろう。

・博士の滑舌が悪い。

ゴジラは出演を断ってもよかったのではないか。

 

というわけで、「ゴジラ70周年だから初代をリスペクトした映画作ろうぜ、んで出す役者はこの二人で」というオーダーに非常に忠実な映画、ゴジラ-1.0は下のリンクから!アマゾンプライム会員なら今なら無料!