松原屋製菓
朝飯に松原屋製菓で買ってきたぽーぽー二種を頂く。
聞き書 沖縄の食事によると、那覇のぽーぽーは「メリケン粉を水溶きして薄く焼き、脂味噌を芯にしてくる来る巻いた」清明祭の際に重箱に詰める行事食であり、八重山のぽーぽーは「小麦粉に黒糖を混ぜたものを、脂をまんべんなく敷いた鍋に少量流し込んで焼き、裏返してくる来ると巻いてつくる」農作業の中休みの際の軽食とのことである。松原屋製菓のぽーぽー、黒糖の方はもちもちしており黒糖のこくがうまい。味噌の方はどら焼きの皮に近いきめ細かくぱふぱふした仕上がりで脂味噌というより固形物のない金山寺味噌のような甘い味噌が巻き込んでありこれもまた美味い。美味いが結構腹に溜まる。貧弱な胃の腑はこれだけで一杯になった。
ダイビングショップレイ
さて良い朝食の後はバスでダイビングショップレイに向かいお楽しみのダイビングである。大変楽しかったので別記事にした。お読みいただけると幸いである。
nekohannryourityou.hatenablog.com
大衆食堂ミルク
ダイビングの後は体力を消耗し夕飯までホテルで倒れる羽目になるのではないかと危惧していたが全くそんなことはなかったので公設市場らへんを散策することにした。最終日つまり明日買う生もの壊れもの土産の下見をする算段である。まずは腹ごしらえと大衆食堂ミルクに向かう。こちらではちゃんぽんを頂く予定だったが物珍しさに負けていかスミ定食を頂く。
豆腐に生姜とツナが載っているのが面白く、また豆腐も大変美味かったので結局醤油をたらさず頂いた。いかスミ汁はぶつ切りにしたイカの胴が多分1杯分、豚肉やら大根やら人参やら青菜やらが豊富に入っていてざっくばらんでなかなか楽しかったがいかスミからイメージされるような濃厚な旨味はなく全体こざっぱりとしていた。体に良いものを頂いた実感はある。しかしちゃんぽんを頂いた方がよかったような気もする。
じーさーかす
それからお楽しみのじーさーかすを訪ねた。
こちら雑貨・家具ショップと名乗っているが細かい昭和レトログッズを多数扱っており色々鷲掴みにしてくれた店である。
こちらでは激渋の
琉球切手カバーや
あの頃メンコ、
えらいイカスデザインの小さな袋などが売っていた。こちらオランダの砂糖袋だそうだ。ギャー!ってなりながら選んだ。超楽しい。
健陶芸
それから壺屋やちむん通りを訪ねた。もし心に適うぐい飲みがあったら買っていこうと思ったのだ。果たして壺屋陶芸センターで好もしい焼き物に出会うことができた。健陶芸という窯の品で、窯主新垣健司さんの弟の手になるものだという。
壺屋焼らしい魚の絵付けがなされているが輪郭が線彫りされていないところがよい。また底と側面双方に柄が入っているのがよい。壺屋やちむん通りの全ての店を見回ったがこれより気に入ったものはなかった。
ジランバ屋
それから公設市場を歩いていたらジランバ屋という小さな蒲鉾屋さんを見つけた。やぁカステラ蒲鉾があるぞと眺めていたら張り紙が目に入った。
99年間!99年間の営業の丁度最後の月に私は行き当たったのか!
こんなめぐりあわせで何か買わずにいられようか。というわけで、どこで買うか決めあぐねていたカステラ蒲鉾を買うことにした。
沖縄の新聞を背景に撮っただけで実際は丁寧に化粧紙に包んでくださった。確か1500円だったと思う。板付きでない、全面黄色のずっしりとした蒲鉾である。聞き書 沖縄の食事によると、カステラ蒲鉾は白身魚のすり身と卵、塩と白砂糖と片栗粉と水で作るとある。頂いたところ、しっかりした噛み応えがあるが所謂蒲鉾のようにぷりぷりとした弾力があるわけではなく、どこか菓子のような優しく大人しい甘さと魚肉由来の奥ゆかしい旨味がある。これは美味いなぁと思った。
それから公設市場を一通り見て平田漬物店でラッキョウを買おうか山城昆布屋で昆布を買おうかなど品定めする。
コーヒースタンド小嶺
コーヒースタンド小嶺で
冷やしレモンを頂いて一休みしたり
呉屋天ぷら店
呉屋天ぷら店で翌日の朝食用にサーターアンダギーとカタハラウンブーなるものを買った。このカタハラウンブー、名称からも形状からもなにがなんだかわからなかったのでなんですかと聞いたところ衣のみをあげたものだとのこと。衣のみで売れるということはよほど美味しい衣に違いないと思って買った。帰ってから調べたところカタハラウンブーは男性を象徴する縁起物で結納では女性を象徴するサーターアンダギーと対で出されるとのこと、期せずして正解を引き当てた気になった。
味と踊りの竜宮城うらしま
それから予約しておった味と踊りの竜宮城うらしまに行った。こちらは琉球舞踊を鑑賞しながら琉球料理を頂くことができるという奇跡のような店である。貫花という4400円のコースをお願いした。
琉球舞踊は7時からと8時から、それぞれ30分。演目は各回で変わるので落ち着いて鑑賞するために6時半に参じた。
左から、ジーマーミトウフ(落花生豆腐)、 スヌイのウサチ(もずくの酢の物)、 ミミガーさしみ(耳皮のピーナッツ酢和え)。ジーマーミ豆腐はつくづくたれがうまく食感がよろしい。ミミガー刺し身は野菜の多い優しい味の和え物である。
こちらは左から、クーブイリチー(昆布の炒め煮)、ラフテー(三枚肉の角煮)。こちらのラフテーはみそ仕立てであるところが特徴と言うが、なるほど亜砂呂の店員さんが言っていたように三枚肉と異なりこれ単品で成立するしっかりとした味付けである。
ここで第一部が始まる。最初の演目はかぎやで風。「琉球王朝時代より、祝宴の幕開けに最初に披露される踊り」とのことである。
帯が博物館で見た役人の結び方と同じで一人ワクワクする。優雅な踊りであった。
かたみとは契りを結ぶという意味だという。男性の女性に向ける意思表明と思われる。これは実に活発で扇の扱いが巧みであった。
女性二人が対になって踊るその手の動きがひらひらと実に優雅であった。故郷を懐かしむ歌詞とのこと。
船の櫂を小道具に舞台を縦横に巡り足を踏み鳴らす勇壮な踊り。豊漁の喜びを表してるとのこと。
実にリズミカルで軽快、二人が太鼓と撥を取り替えながら太鼓を叩かせたりまた叩かせまいと躱したりするところが面白い。エイサーをモチーフにした踊りとのこと。
ここで7時からの回は終了。
なんかすごくもちもちして美味しいものが出てきた。ウムクジアンダーギー(紅芋天ぷら)だそうだ。
クファジューシー(炊き込み御飯)、中身の吸物(もつの吸物)、香の物。中身汁は余分を削ぎ落した非常に上品な風味に仕上がっている。
ここで8時からの第二部が始まった。
琉球舞踊人形でおなじみのお召しである。「中国からの客人をもてなす際に踊られていた代表的な宮廷舞踊の一つ」とのこと。
花笠が少し傾いだところが美しい。一方で四つ竹を軽快にならしているところが面白い。
川から拾い集めた桜を糸に通して愛しい人に差し上げるという恋心を描いた踊りというが
後半四つ竹をかき鳴らしハジケ祭のようになるところが唐突でよい。
こちらは豊年を願う踊り。実に躍動感があり楽しそうであった。
こちらは遊女が船出する恋人を見送る踊り。
終始嫋やかで哀切の伝わる踊りであった。
「若い男女が愛のしるしである花染手巾とミンサ―帯を交わせながら踊るカナヨー節と」
「少女に水をかけて無邪気に遊ぶ島尻天川節の二部構成」とのこと。要は男女のキャッキャウフフである。
素晴らしい踊りをありがとうございました!
最後にデザートが出たんだけど踊りでコーフンしすぎて撮るの忘れた。
これにて4日目は終了。