朝飯に昨晩お惣菜やで買った魚フライとモズクフライ、初日夜にリウボウストアで購入したシークワーサーもずくとジーマミー豆腐、黒島商店の田芋にーを頂く。
まぁこれは好き好きなのでコメントを控える。
田芋にーは実に質朴でうまい。何しろ味加減が絶妙なのである。田芋本来の味わいから出すぎないささやかな甘味。食感は、里芋の持つねっとりとほくほくを併せ持つ贅沢仕様。これは喜ばれるであろう。何より聞き書 沖縄の食事で読んだものを頂くことができたことが嬉しかった。
美ら海水族館
さて美ら海水族館である。那覇バスターミナルから高速バスに乗り朝一を目指す。
旅程はほぼ全行程曇りであったが日光に弱い私にとってはむしろ有難かった。
黒潮の海
とりあえず全容を見ようと急いていたら丁度9時半からの黒潮の海大水槽の給餌に出くわした。早起きするといいことがあるもんだ。
落とされた餌を追ってマンタが大きな口を開け宙返りしている様は勇壮でなかなかの見ものであった。
ジンベエザメは自然環境下であれば口を開けて空中を泳いで悠々と食事しているであろうところ、ジンタ君は水面に撒かれた餌をとるために直立している。不自然であろうががんばえー。
こちらの水槽では
トンガリサカタザメや
ヒョウモンオトメエイや他諸々の魚を見ることができる。ブレイバーンファンならおなじみのマヒマヒことシイラもいたが表層魚なのでさっぱり撮れなんだ。
黒潮体験(水上観覧コース)
給餌を堪能した後は入場10:45までの黒潮探検(水上観覧コース)にそそくさと参る。この黒潮の海の水槽を上から眺められるのだ。
エレベーターがもうかわいい。
左下にジンベエザメがいるのがわかるだろうか。また右上には水槽の真上から鑑賞できるスポットがある。水族館の飼育員さんが、黒いマンタは自然環境下では1割くらい居てそれほど珍しいものではないこと、現在黒いマンタと普通のマンタを交配させてどれくらい黒いマンタが発生するかの研究を行っていることなど色々教えてくれて大変有難かった。
このくらいの距離感で観察できて大変楽しい。
休憩中のトンガリサカタザメご夫妻。
シノノメサカタザメは繁殖に成功したそうだ。えのすいに来てほしいけどちょーっと距離ありすぎだよなぁ…。
ここから新しい生物を搬入するのだそうだ。ムラムラするなぁッッッ!
カフェオーシャンブルー
このあたりでカフェオーシャンブルーに参る。40分500円のかぶりつきに座るのが夢だったのである。番号札を受け取って10分程度で席に着くことができた。食事はイカ墨パスタを頼んだが正直コメントしたい味ではない。アイスティーは普通。いいんだよ特等席で黒潮の海を見たかったんだから!
一番左側の9番席に案内される。回遊してくるジンベエザメがとてもよい。
食べるだけ食べたらずーっと回遊してくるところを見ていた。極楽である。
ここからはええ感じに撮れた好きな生き物をつらつらと。
イノーの生き物たち
入り口でお迎えしてくれるのはイノー(礁池)の生き物たちの水槽。
しっくりしてるアオヒトデ。
左上から、ヒョウモンカワテブクロ、コブヒトデモドキ、よくわからんがクロナマコの類、コクテンフグ。
イシヨウジを解説員さんが見つけて下さった。なるほど面付きがタツノオトシゴに似ている。
サンゴの海
クサビライシの楽園。丸いのがクサビライシ、細長いのがトゲクサビライシ。
これも見たかった。ヤエヤマカワラサンゴ。
これでサンゴの仲間なのな。海藻かと思ったわ。
サメ博士の部屋
背びれの端が白いのでツマジロ。識別しやすいよいサメである。
こうなってるんだな感のあるエイの胎仔。
そのほか諸々よく撮れたやーつ
こちらは「外套膜に光を反射する細胞を持っていて光が当たると点滅するように光って見えます。そのため『イナズマガイ』とも呼ばれています」という貝。カッコイイ。
これも撮りたかったアカククリの若魚。美しい。
鮮やかすぎる青。
管クラゲの一種。個虫が集まった群体。
これも見たかったカサノリ。なんとこの複雑な形態で単細胞生物と言うから恐れ入る。サイトでは「現在展示しておりません」になっていたため諦めていたが実見できるとはキャッホーイ!
これも見たかったんだよねぇ。
大体有櫛動物の仲間は幽玄で美しいのだが、コトクラゲが固着性だとは思っていなかった。
アクティブなオオグソクムシ。
世界初展示の深海性のフグ。
美ら海水族館は無料コーナーも充実している。ここからはチケットなくても見られるコーナー。
ワクワクアクアラボ
ウバザメはでかいでかいと聞いていたが思っていたより怪獣的なでかさで吃驚した。
生殖器もでかい。
マナティー館
マナティー館も無料である。丁度給餌タイムだった。キャベツを両手で持って食べる様子が大変かわいいのでお時間あれば是非ご覧いただきたい。
気が付いたら3時になっていた。おきなわ郷土村と海洋文化館も見ねばならないので名残惜しくも辞する。
おきなわ郷土村
総合案内所の石畳縁が琉球石灰岩だったので早速検分したところ化石らしきものが見つかり嬉しかったので記録する。
これはシャコだ!昨日博物館で見た!
化石を見つけて気が済んだのでさて移築された民家である。全て余すところなくおもしろかったが特に気に入った民家をピックアップした。
本部の民家
築は昭和初期だがもっとも古い年代の穴屋形式を伝えているという民家。四隅の柱はサンゴ石灰岩、壁は二重のチニブ壁の間に茅を詰めたもの。こちらは台所、右が母屋。
奄美の民家
地頭代の家も構造が非常に複雑で面白かったのだが写真で表せるものではないため省略する。
海洋文化館
こちらは1975年の海洋博の日本館をそのまま使っているため50年前の建物、内装と外装はリフォームしたが構造はそのままなので一部雨漏りなどして大変なんだそうだ。物販がないと思ったら海洋文化館のロゴのあるメモとクリアファイルがおきなわ郷土村のSNSキャンペーンの景品になっており世知辛かった。
と言うと随分さびれているように思うだろうが
非常に美しい。
太平洋地域の海洋文化を紹介するための施設であり、移住のために用いられた船などが展示されており圧倒される。しかしほとんどは復元品なのだそうだ。まぁ実際に使われていた船は劣化していて展示などできまい。
その数少ない実際に使われていた船の一つがこちら。
フィリピンのスールー海の島に住むパジャウ族の住居であり、漁船であるのがこの「レバ」という家船です。(中略)1975年の春までパジャウ族の漁師一家が暮らしていた家でもありました。(文化館題箋より)
やばい!でかい!かっこいい!ラカトイ。これも実際に使われていた交易船。詳しくは動画参照。
今回の個人的な収穫はスティックチャートの実見とその理解である。スティックチャートが海図であることは知っていたがそれが何を顕しているのかわからず、漠然と星図のようなものかと思っていた。海洋文化館でこのスティックチャートが島の位置と海のうねりを表したものだと知った。こんなんワクワクするに決まってるだろう!ワクワクゥ!
他にも諸星大二郎のマッドメン的文物が多数あって大変魅力的な博物館であった。
バスの時間になったので名残惜しくも海洋文化館を辞し、夕食を頂きに琉球料理 亜砂呂に参る。
琉球料理 亜砂呂
せんべろ大盛セットを頂く。こちら総菜4種にドリンク2杯で1320円というありがたいセットである。牛蒡金平、三枚肉、厚揚げのひき肉詰め、南瓜の炊いたん。三枚肉とラフテーは異なるとのこと。確かに頂いた三枚肉は優しい味付けであった。とにかく総菜としての完成度が高くどれもこれも手本にしたいうまさである。さすがは40年の歴史のある総菜やである。
手びちがごっつり入っているという噂の沖縄おでんを頂く。
レタスをはぐとごっつりてびち。下には大根と昆布と大量の白滝が鎮座まします。
これがまぁうまい。てびちは圧力鍋で長時間(丁寧に教えていただいたのに忘れた)下茹でした後味を調味した後更に煮るとのこと。なんというかコラーゲンの多い部位特有のべたついた食感、骨離れの良さがサイコー。手で持って余すところなく食べつくそうとして努めておったら店員さんに食べっぷりを褒められた。手前の大きい魚肉練り製品には卵が入っておる。おなかの限度額いっぱいになっていたがスープも余さず飲み干した。ああうまいああうまい。これが…UMAMI…。
夕食も大変良いものを頂けた。これにて3日目終了。