鶴岡八幡宮に初詣でをしそびれていた。そろそろ人出も納まったろうか、そういえば冬牡丹の見ごろは今ぐらいだったのではないかとXを検索したところ、昨日お越しになった方が牡丹が大変見ごろだが週末天気が悪くなるので今日くらいで見納めだろうと書いているのを見つけた。牡丹を撮るとなれば午前中の光がよいのでとるものもとりあえず八幡宮に参ることとした。
鎌倉駅の地下道に貼られている安野モヨコさんのオチビサンのポスター。大層可愛い。
牡丹園の入園料は500円。菰をかぶっている冬牡丹で開いていないのは2株くらい。なるほど見ごろである。
来年の私に伝言。一番いい望遠を持ってくるように。
美しいつくりのお手洗い。牡丹を活けてあるのだ。
ようよう気が済んだので本殿にお参りする。例年通り刀守りを買い、その後お稲荷さんと弁天様にもご挨拶した。
いつの間にやら1時半、腹が減ったので小町通りを駅に向かい店を探す。台湾料理の店を見つけ入れるか聞いてみたらもう終わりとのこと。昼を食いはぐれそうで焦燥する。前から気になっていた銀座古川を訪ねてみた。ネクタイを締めた給仕のご婦人がまだ大丈夫と言ってくだすったので迷った挙句ビーフシチューを頂くことにする。
これにご飯が一膳で2100円。茄子、オクラ、パプリカ、ブロッコリー、カリフラワー、人参、じゃがいも、ひよこ豆、粗みじんの玉ねぎ、そうして豊かな和牛肉。肉は柔らかいのに旨味が抜けておらずルーは滑らかで奥深い。素揚げした茄子が頗る旨い。何より給仕の方の老練な安心感が心地良い。次は魚介類のシチューにしよう。
おなかは一杯になったが鎌倉に来たからにはメゾンドルルのシュークリームを買わなくては話にならない。ついでに鎌倉帽子屋に寄ろう。段葛の方の店でお財布に優しい黒っぽいハンチングをお嬢さんに見繕って貰う。気に沿う厚手の生地の帽子が5000円くらいで見つかったのでそのまま被って行くことにした。よく考えたらそれほど財布に優しい値段ではなかったがハンチングは難しいのでよしとした。
大巧寺に上の子の安泰を願いに詣でたらもう梅が咲いていた。海老芋がないかとレンバイに寄ったり面白い刺身がないかと鎌万水産に寄ったりしたがいずれも不発であった。
メゾンドルルでお目当てのシュークリーム220円を一つ。帰って頂いたらまぁ美味しい。これほどかろやかで味の佳いカスタードクリームにはなかなかお目にかかれない。零れないよう天地を返して頂くのだが、シューがハードタイプなのでどう食べても溢れてしまい、少しお行儀悪く多方面から齧りつくのがまた楽しい。
游古洞を忘れていたので裏駅に向かう。総菜を盛るのによさそうな1000円のぐい飲みを2つ、粗雑で安っぽいけど色鮮やかで龍と鳳凰が何ともかわいい500円のお猪口を1つ買った。お猪口は惣菜を盛り付けて撮ると柄が見えないだろうからここでお披露目。
やあかわいい。
それから最後に萩原精肉店に行った。鶴岡八幡宮の屋台で修学旅行中の男子生徒が好奇心と食欲に負けて牛タン串を注文していた。歩きながら牛脂の焼ける匂いを聞いていたらどうにもステーキを食べたくなったのだ。運のよいことに一割引きの日、100g150円の牛筋と100g1000円の和牛の一口ステーキ肉を買った。
家に帰って牛肉専門店に倣い焼いて頂いた。しみじみと背徳的に美味かった。あの若人の牛タンはどうだったろう。いずれにせよよい思い出になるだろうと思った。