青森の方もすなる朝ラーといふものを神奈川より参りし私もしてみむとするなり。
というわけで最終日の朝食に㐂伝の焼干し中華750円を頂く。
正統中華そばのルックスながら煮干しの風味がよかった。
そのままアウガで土産物を見繕う。鍋に入れるせんべいの耳100円、根昆布束ねたの300円は塩干物の兼平商店であったろうか。
念仏のように青森産青森産と唱えていたら高畑商店で大角天を勧められた。値段が埋もれて見えんではないか。
この大角天が頗るうまい。非常に薄くてでかくて味が濃い魚肉練り製品である。焼いても煮てもよいと店の人は言っていたがなるほどその通りである。
こちらの卵とうふはたぶん三上商店で買った。
鰊の昆布巻は賞味期限が三日と念を押されたねぇ。
あと佐藤商店で宗八カレイの干物を買った。炙っていただくんである。
いと福さんでは職場用にとろ串10本550円、とろ串のもちとたれセット780円、雲平目巻2つ、工藤パンのスペシャルイギリストースト、くじら餅風蒸しパンなどをもりもり買った。笹餅5つも注文したはずが袋に入っていなかったのが痛恨の極みである。一方でくじら餅風蒸しパンが非常にうまかったので得をした。くじら餅は浅虫温泉で元祖と本家的な二種を買ったがまだ食べていないので風がどの程度風であったのかはまだわからない。
雲平目巻は餅粉と砂糖を練り合わせたもので砂糖のシャリシャリ感と上あごの奥に溜まるような甘さが何ともうまい和菓子である。
かまぼこではない。
青森魚菜センターの総菜やまだで総菜を買う。
いくじの塩辛。いくじとはアミタケを指すようだ。醤油味に菊の花が入っている。とぅるんとぅるんのなめらかさ。酒のつまみか飯の友に好適。
筍の炒め。鰊か何か青魚の干物、根曲竹、白滝を油で炒めてある。ちょっとしょっぱい。
タラのとも和え。津軽料理遺産によると真鱈の身や皮を肝で和えたものとのこと。これ、バゲットサンドにしたらめちゃめちゃうまいやつじゃないかね。一番口に合った。
斜め前にある八百屋すわ商店でキノコの塩漬けを買う。
塩気を抜いて汁物煮物にするとよいとのこと。楽しみである。
あとこちらリンゴが一個100円で20種類くらいあるいい意味で異常な店だったので甘いリンゴのおすすめを聞いたところ黄金ふじを勧められて3つ買った。ふじの枝替わりの品種とのこと。
ここで!
私は!
けの汁のもとを確かに買うといったのに!
袋に入っていなかった!
誠に残念であった。
一通り土産を揃えたので日持ちするものは服と一緒にキャリーオンバッグに詰めて発送し生ものはキャリーバッグに詰めてそろそろ宿を発つことにした。お昼にはウィーン菓子シュトラウスのザッハートルテとミルヒラーム・シュトゥルーデルを頂き最後まで欲望に忠実に生きる旅程とした。
シュトラウス内装
ザッハートルテ&ヴィーナーメランジュセット、1050円。ヴィーナーメランジュとはミルクの泡と生クリームを浮かべた珈琲である。ザッハートルテはどれだけ脳みそに突き刺さる甘さを持っているだろうと危惧していたが思っていたより丁度良い甘さで上品であった。
ミルヒラーム・シュトゥルーデルはグレーテルのかまどでも取り上げられたデザートで、レシピからすると「牛乳に浸したパンをパイ皮で包み玉子ソースをかけてオーブンで焼いたものにバニラソースをかけたもの」のようである。シュトラウスのレシピではフィリングに干しブドウが入っておる。病床にこういうものが出てきたら大変うれしいだろう優しいうまさでザッハートルテと合わせると丁度おなかがいっぱいになる量であった。珈琲がついて1200円。
階段の照明が美しかった。
青函トンネルやけの汁などやりのこしたこともあったが、日露戦争新聞号外や吉田初三郎の地図、温泉卵場のご婦人、ふく郎など思わぬ幸いに多く恵まれた旅であった。
全国旅行割よありがとう。