即興厨房

大船市場で野菜を大量に買い込んでええ感じのお総菜を一週間分作ってはブログに記録する人です。器は骨董屋でこつこつ集めたぐい飲みやお猪口です。美術展、本、たまの旅行も記事にします。好きな動物はチー付与のどんぐりです。

2022年11月6~7日 静岡旅行二日目 三保の松原、東海大学海洋科学博物館、東海大学自然史博物館、ごはん屋さくら、末広鮨の桜えびすし

荷物をフロントに預け、7時半にホテルを出て三保の松原行きのバスに乗った。三保の松原入り口からみほしるべまで歩いてゆきレンタサイクルを借り、早朝の三保の松原を写真など撮りながら自転車で巡り東海大学海洋科学博物館に参じようという旅程である。

HELLO CYCLINGというレンタサイクルアプリを利用した。事前にアプリをダウンロードしクレジットカードを登録するところまでやっておくとよろしい。利用30分前から予約可能となるシステムである。

三保の松原入り口からみほしるべまでは徒歩12分だが全く退屈しない。なぜなら御穂神社から神の道という参道を遡って海岸に出るからだ。

なんかねじれてて面白かったので撮った。

途中にはゆかりのある文学作品等を紹介した看板があり退屈しない。そういえば羽衣の舞台ってここだったかぁ…。

随所にベンチもあり体に優しい。

町の方々が互いに挨拶をしており穏やかな土地柄を忍ばせる。総じて静岡の人は親切で感じ入った。御穂神社の入り口でもカメラを提げているせいか犬の散歩をしていた女性に声を掛けられ、曇りだから富士山が見えないかもと心配していただいた。ちゃんと見れたのでご安心を。

海岸は驚くほど開けている。海が美しい。左手には富士山、背中には松原。こんなに美しい浜辺であれば天女が下りてきても不思議はないと思った。

ところで自転車で砂浜に降りると死ぬので気を付けるように。

白く美しい清水灯台

甲飛予科練之像

さて。

着いたー!

バスで帰るのですぐ近くのGosea's Surfに自転車を返却し、海洋科学博物館入り口で早速チケットを購入する。自然史博物館と共通で1800円である。

入り口にはでかいオヒョウがいる。

これは何かというと、テッポウウオとハゼの共生展示である。

下からライトを当てて覗くとイセエビのおなかが見えて楽しい。

みんな大好きウツボ君。

想定よりはるかに長いリュウグウノツカイ

の、繊細な幼魚

蒲田君 ラブカ

バックヤードは尊い

これを見たかったのである。

ビワアンコウ

ミツクリエナガチョウチンアンコウ

静謐

偉大なる海洋水槽

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それから自然史博物館に行った。

展示されているのは実のところ多くが複製である。しかしだからどうだというのだ。この圧倒的スケール感を静岡の子供たちに届けたいという気概が美しいのだ。全長26メートルのディプロドクスのスケール感に圧倒されるための場所なのだ。恐竜の背中に合わせたようなドーム様の天井も素晴らしい。

ヘリオコプリオンの歯!サメの歯!どうやってついてたのかいまだ不明!サイコー!

ステラーカイギュウ。思ってたよりでかい。そして人間は愚か。

色々頑張ってかっこよく撮ったサーベルタイガーの頭骨

見たことない化石シリーズ エイ

見たことない化石シリーズ ウチワエビ

見たことあるような気もするけど好きだから カブトガニ

これはマジで見たことない クモヒトデの仲間のゲオコーマ

そしてさらにヤバすぎるレアさのタコブネ化石

みんな大好きサメの顎

後写真には撮らなかったがこちらの機械水族館メカアクアリウムや「海をしらべる」コーナーは非常に面白かった。メカアクアリウムを撮らなかったのは遊ぶのに夢中だったからである。駿河湾の深海2,500mから富士山山頂までの立体模型を見ると日本の地形のトンチキぶりがよくわかって非常に勉強になる。

最後に津波実験水槽実演を見た。

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津波地殻変動で起こる…という知識はあっても今一つそのメカニズムを理解していなかった。こちらの水槽では重量のある鉄の箱を隆起または陥没させて人工的に地殻隆起と地殻陥没を再現し押し波と引き波を発生させる実験を行っている。動画は引き波である。海岸から水が引き、そのあとしばらくしてから押し寄せてくる。メカニズムが非常によくわかる優れた実演である。

もろもろ堪能したのでそろそろ帰る。

この昭和な味わいの看板に向かって道路を挟んだ右斜め前の空き地にバス停がある。小鳥の鳴き声の響く静かでよいバス停である。

さて。

昨日行きそびれたごはん屋さくらにいくことにするかぁ!

というわけで2時半に博物館でバスに乗車、清水駅にバスで戻った後東海道線由比駅に向かう。予定通り3時半着、駅から看板が見えたのでGoogleMapの言う通り2分もあれば着くんだろうなぁと踏んだ。ところが驚いたことに現在最寄りの踏切が工事中で、線路向こうにわたるには遠方の踏切目指して片道ほぼ10分を歩かねばならないという過酷な暫定仕様となっていた。

しかし道を尋ねられ親切に教えてくださった駅員さんはもっと苦しかろう。すみませんすみませんとしきりに謝っておられたが、何、別に君が工事を決めたわけでもないだろうに、そして必要のある工事だろうに、そんなに何度も謝ってきたのか、君は。

というわけで由比桜えび通りである。

ひとのおうちを撮るのがあまりいい趣味ではないことはわかっているが捨て置けなかった玄関

植木鉢を中心とした街角インスタレーション

漁協小路を超えてごはん屋さくらについたぜ!

こちらは生、釜揚げ、かき揚げ、佃煮、青さのお吸い物、全てが桜えびの桜エビ定食、1980円。

どう見てもかき揚げがハート形なのだがあまりそういうことに感動できない質で申し訳ない。

お味について。

釜揚げが仄かな鹹味があって一等好きだ。次にお吸い物の塩梅がよい。生桜海老は相変わらずいたいけだが美味しい。佃煮は母のお土産にしたくらいの良い味わい。釜揚げ生桜海老とも底に太繊切の大根が敷いてあって相性に不安を覚えたがニュートラルな大根はさくらえびにさっぱり感と程よい歯ごたえを加味するベストパートナーであった。かき揚げは多い!掘っても掘ってもなくならない!ボロボロこぼれてもったいない!もうおなかいっぱい!でももったいないから意地でも食べる!というわけでこぼれサクラエビをごはんにざっとかけて醤油垂らしたら醤油の香りとてんぷらの香ばしさがマリアージュして素晴らしくうまいものが仕上がった。お店の人は桜海老のひげ塩を勧めてくれたが私は醤油が合うと思ったぞ。醤油さしが一滴ずつ垂らせるタイプなのも実によかった。静岡の濃い目の冷茶を大きめのポットで置いてくれるのもありがたい。店員さんがadidasをもじったebidasのTシャツを着ていたのもかわいかった。あと店員さんが常連さんについて優しいまなざしのうわさばなしをしているのも好もしかった。ここはほんとうは地元の人のための店なのにうまいばかりに私のような旅人が殺到してしまいすみません。大変美味しゅうございました。

お土産にした佃煮、540円。

さてそろそろ帰路につこうか。

ホテルで荷物を受け取り、清水駅のBellmartで予約していた桜えびすしを引き取る。こちら清水で一番の寿司屋末広寿司が調整したなんとたった640円のお品物。旅行割を使ってもまだ余ったのでお店の人にお土産を相談した。調整済みのおでんを買おうか迷ったが、静岡おでんのつゆを買ったことを話すと黒はんぺんを勧められる。

「鰹節の粉は買った?静岡おでんと行ったらあれがないと」

「もちろん買いましたよ!」

めちゃめちゃほめられた。

どこから来たのかを問われたので逗子からであることを伝え、おでんには三浦大根が大層合うことを力説しておいた。

魚肉練り製品は冷凍保存が可能なので、黒はんぺん2枚入りを4袋、サクラエビ天2枚入りを1袋、桜海老新上2枚入りを一袋買った。それぞれ1袋180円である。

そのあと静岡駅で職場用にうなぎパイとサブレ―のつめあわせ594円を2袋。

新幹線で新横浜に戻り、そこから逗子へ。

 

さて。

桜えびずしはどうであるか。

や、これは美しい、楽しい。

いたいけな味を損なわぬよう浅く味付けした桜海老がこれでもかといわんばかりにみっしりと載っている。薄くやや硬めに焼いた錦糸卵が彩を添えている。さらに下にはえびそぼろであろうか。原材料表示には、油揚げ、蓮根、きぬさや、のりの文字が見える。つまりこれはただの酢飯ではない、ちらし寿司なのである。長時間の常温保存による傷みを避けながらいかに理想のおいしさを届けるか、創意に満ちた駅弁なのである。

なんとまぁ贅沢な。

量が控えめなので昼のかき揚げに完敗し再起不能と思われた胃にも美味しく納まってくれた。

 

ああ、此度もまことによい旅であったことよ。

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