日比谷花壇大船フラワーセンターでは蓮の開花に合わせて7月から8月の土日祝日に7時から早朝開園をしています。
同センターはこれまでも50品種の蓮を栽培していましたが、2020年1月に静岡県沼津市本廣寺の関戸慈誠住職から190種の蓮を譲り受け、とうとう240品種の蓮を擁するまでになりました。
関戸住職は蓮興寺で30年に渡り蓮を育てていたところ、転任で栽培の継続が困難となってしまったとのこと。引き取り手を探すにも相当苦労したようですが、日比谷花壇大船フラワーセンターが名乗りを挙げて下さったことで散逸を免れ、同センターでさらに多品種の蓮を楽しむことができるようになりました。
同センターでは蓮を鉢で栽培・展示しているため、大変間近から撮影することができ、カメラ好きにもありがたい場所です。
ただし蓮は背が高い。望遠レンズがめちゃめちゃ活きるので、撮影の際はぜひお持ちください。
なお、撮影後に鉢の札を撮影することで品種の正確な記録にも努めましたが、間違いがございましたらご指摘いただければ幸いです。
また、撮影の際OLYMPUS OM-D E-M10 Mark IIのポップカラーのアートフィルターをかけています。全体南国ビビッド調になっておりますのでご了承ください。
では、2021年7月23日、7時~9時の間に撮影できた蓮の紹介です。
清雅花鈿
寿星桃
輪王蓮
祥隆紅蓮
天橋
植松
小灑錦
漁山紅蓮
大内池
詩仙堂西湖
天竺斑蓮
妙光
玉繍蓮
粉松球
巨椋大島
古幡姫蓮
折角なので8時からの蓮についての講義にも参加してきました。以下抄録。
- 蓮の種はそのままでは発芽しない。種に傷がつくことで皮に水がしみ膨張し割れてはじめて発芽する。人工的にはやすりで削るそうである。
- 蓮の種は10度なら2500年、25度なら40年発芽能力を保っている。
- 蓮は一年に50メートル伸びる。田んぼの畔を突き抜ける勢い。
- しかし干上がると蓮は枯れる。
- 蓮根に穴が開いているのは空気を送らないと泥の中で根が腐るから。
- 蓮の茎を折ると細い繊維が出てくる。それをより合わせたものを藕糸(ぐうし)と呼ぶ。カンボジアの最高位の僧侶の袈裟の素材である。
- 蓮の花弁が25枚以下のものを一重、26~49枚のものを平八重、50枚以上のものを八重と呼ぶ。
- 花の直径が15cm以下のものを小型、15cm~25cmを中型、25センチ以上を大型と分類する。
- 蓮の種の芯は蓮子芯という高級なお茶の原料となる。蓮の葉のみの茶、蓮の葉と蓮の実の芯を合わせた茶もある。食用として売られている乾燥蓮の実は全て蓮子芯を取った後のものである。
蓮の葉の縁を切り茎に水圧をかけた蓮のシャワー。
大船フラワーセンター カフェALGERNONでは蓮の展示に合わせた特別メニューを提供中。こちらは蓮の実わらびもち。
わらび餅と銘打っているおそらくアガーを使った水まんじゅうと黒みつが頗るうまい。蓮の実は要は胚なので栗に似ているといえなくもないがあそこまでほくほくしておらずどこかこっくりとした歯触りである。というか2500年単位で生きてる種をあっさり頂いてしまってゴメンナサイゴチソウサマ。ありがたいありがたいあやかりたいあやかりたい。
以上、大変充実していた日比谷花壇大船フラワーセンターハスの早朝開園でした。