即興厨房

大船市場で野菜を大量に買い込んでええ感じのお総菜を一週間分作ってはブログに記録する人です。器は骨董屋でこつこつ集めたぐい飲みやお猪口です。美術展、本、たまの旅行も記事にします。好きな動物はチー付与のどんぐりです。

鎌倉を散歩した話

5月分の記念スタンプを押していなかったので鎌倉に行かねばならなかったのだ。食べログで行ってみたい店をさんざ検討してようやく決まったので家を出た。駅でスタンプを押し、小町通を過ぎて游古洞に行く途中でカフェヴィヴモンディモンシュに人が並んでいないのを見つけた。大変珍しいのでこういう機を逃してはいけない。予定を打ち捨て一名お願いして壁際に席をとった。大変おいしい珈琲屋さんなので本当は珈琲を頼むべきなのだろうが入眠困難の身なれば珈琲はおっかない。そんなわけで午後はいつもプリンパフェである。

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プリンパフェ850円

それから游古洞でぐい飲みを見た。備前の良い感じの、すごく良い感じの小さな花入れが1800円で出ていた。手に取ってしみじみ見ているとご婦人二人連れが「表にあった備前焼きの花瓶が…」などと話しながら店から出てきた。

見られている。

さてはご婦人方もこの花入れが気になっていると見える。それはそうだろうとても素敵だもの。小さな野の花を生けるとすごく映えるだろう。そうしてこの花入れは屹度あなたの家にあるほうが似合うだろう。私が家に連れて帰っても私が死んだら他の雑多なものと一緒に粗末に扱われてしまうだろう。だからあなたの家に行ったほうがいい。

そんなことを考えながら花入れを元の場所に戻した。ご婦人方は私が退くまで店を離れなかった。振り返って確かめたわけではないが、きっとご婦人のどちらかはあの花入れを引き取ったろう。

それから私は小町通に戻り八幡宮に向かった。ひところ死んだようだった鎌倉も大分活気が戻っており、シャッターが下りたままの店も少なくなっていた。それでも吉兆庵の美術館は休業だし、ええとあの、確かひらのというラーメン屋の入っていた建物が解体されていて吃驚した。修学旅行生が大変邪魔で、しかしながら彼らは自分らが邪魔であるなどとは一片たりとも考えてもいないだろう。そういう若さは愛しく好もしいものだ。

鉄の井のあたりにある干物やをいつも覗くがいつも何にもそそられない。何にもそそられないのをわかっておりながらいつも何か期待して覗いてしまう。そういう関係の店もあるものだ。

八幡宮の鳥居の前まで行ったが牡丹園が開いていないのでそのまま段葛に戻った。若いころは前に来たなら必ずお参りをしなくてはならないような気になっていたが、初詣の時に矢鱈大きいモニタで広告を延々と流すようになってからいけすかなくて用もなしに寄らないようになった。

毎回ケーキを買うか迷うためにロミユニコンフィチュールを覗くのだが、今日はプリンで満たされていたのでやはり何も買わなかった。

大巧寺の紫陽花はまだ大して咲いておらず、しかも良い写真も撮れなかった。しかし紫陽花とは別に、どう見てもドクダミであろうという葉っぱの、大変可憐な花が咲いていたので面白くて撮った。帰って調べたところヤエノドクダミという園芸品種らしい。

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あまりに可憐なので拉致ってマンションの裏庭にゲリラ植えしてやろうかと思った。いえいえ、そんなことはしません、思っただけですよ。

それからレンバイに行った。夏になると出てくるやたらでかいズッキーニがあれば買おうと思ったがまだ早かったのか普通のサイズのしかなかったので見合わせた。

由比ガ浜通のアジア商会でちょっぴり安くなっていたよつ葉の無塩発酵バターを買った。発酵バターはカルピスのものが一番好きだがあまり売っていないのでよつ葉を試してみようと思ったのだ。これでCALVAの無花果クルミのパンを頂いたらさぞうまかろう。

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由比ガ浜六地蔵のマスクが大変かわいい。

それから駅前に戻って萩原肉店で牛すじを求めたところ、おじいちゃんに

「今度は牛肉を買ってください、牛肉を捌かないと牛すじは出ません」

と至極尤もな叱られ方をした。すいませんいつも牛すじしか買いませんで!

 

そんな鎌倉散歩。