王馬さんはかっこいいですよね。
王馬さんというのはケンガンアシュラという漫画の主人公の十鬼蛇王馬さんのことです。この人はヤンデレの元男娼にストーカーされたり女子高生に種付けを迫られたりする見ての通りモテモテの人です。ケンガンアシュラは原作者が格闘ガチ勢の人で作画の人も筆力がすんごいんですが、そのケンガンアシュラの原画展ということでいろいろワクワクしていきました。名シーンやあのキャラこのキャラの見せ場の原稿が展示されており楽しく拝見していたのですが、どうやっても筆致が見えない。どうもデジタル出力だったようでちょっとおとなしくなりました。原画展というと燃えよペン的な熱い何かを期待してしまうので関係者各位におかれましては原画の定義をぜひ見なおしていただきたい所存です。デジタル出力って書いてくれればそれでよかったのにぃ。
大体ファンなんて
こういうのとか
こういうのとか
繰り返しになりますがこういうのとか見れればもう満足なんですよ。喜んで足を運ぶんですよ。この展覧会は入場料300円ですが、なんと入場券が下の神田明神コラボイラストの名刺サイズのシールになってます! それだけで元が取れてるんですよファンとしては!(しつこい)
なお獄天使さんもおられましたがどうもうまく撮れませんでしたごめんなさい。
この後新宿に行きまして文化学園服飾博物館のヨーロピアン・モード展を見てまいりました。「特集・19世紀末からの服装改革」とある通りマリー・アントワネットのころからの婦人服の変遷を文化学園のコレクションで解題するという非常に見ごたえのある展覧会でした。特に面白かったのが1900-1910年頃の婦人水着。博物館の所蔵品データベースで「水着」で検索しても出てこなかったため紹介できませんが今回は6点程度の展示があり、中でも白ベースに赤のセーラーカラーの水着と、コーラルピンクの上下にサイドが編み上げのショートパンツな水着が非常にモダンかつかわいらしいものでした。下のファッションプレスの記事に当時の水着の一例が載っているので是非ご覧ください。
www.fashion-press.netまた、文化学園服飾博物館の所蔵品データベースも非常に有用なので特に紹介しておきます。絵描きさんとか重宝するんじゃないですかね。
digmus.bunka.ac.jpクリノリンやバッスルの実物も見れて大変満足した私はその足で今度は新橋に向かいました。本日のタスクはパナソニック汐留美術館で開催中の「香りの器 高砂コレクション展」鑑賞で終了となります。
その前に腹ごしらえとしてビーフン東に寄りました。
五目汁ビーフン小盛600円。スープが大変おいしいのです。この手の中華料理の「ちゃんとやわくてちゃんとおいしい」豚肉の加熱方法を知りたいです。そぎ切りの白菜の中華感もたまりません。新橋の二日酔いは皆お昼にこれを頂くとよろしい。
その後ベジタリアンによってメロンジュースを51周年特別価格の200円で頂きました。メロンがウリ科であると再認識できるかすかな青臭さが味わい深い、それでいてちゃんと甘くて後口はすごくメロンという、総じてすごいお得感のあるデザートでした。
香りの器展は紀元前10世紀のギリシア時代の香油壺から始まる高砂香料株式会社によるガチなコレクション展でした。昔から人は佳い香りを特別なものとして大切に扱ってきたことがよくわかります。ローマガラスのロマンティックな構造色は2000年を土の中で過ごした結果の銀化であって当時の人々が見ていたいろではないというのがどこか残念ですが大変美しいのでなんでもいいような気になります。古代モノでは突起装飾香油瓶と紐巻装飾香油瓶が大変よかった。展示のうち、陶磁器製、ボヘミアン・ガラス、アール・ヌーヴォー、アール・デコ、ルネ・ラリックについては撮影可だったので撮って参りました。
若い娘を背負う修道士 花に隠して若い娘さんを背負ってどこへいこうというのだね
色絵勿忘草文貼付香水瓶(一対)
天使文香水瓶
ガラス葡萄文香水瓶
被せガラス金彩草花文香水瓶
赤緑ガラス金彩草花文香水瓶
被せガラスエナメル金彩花文香水瓶
青色ガラス金彩草花文香水瓶
幾何学文香水瓶
鳳凰文香水瓶
赤色ガラス滴文香水瓶
ルネ・ラリック カランダル
ルネ・ラリック 牧神の花束
ルネ・ラリック シダ
マルク・ラリック いちずな願い
きりがありませんな。
ブルジョワ社のパリの宵という香水瓶は梱包含め実にムードがあってよいものでした。西洋の化粧道具、香水のポスターデザイン画なども見ごたえがありました。小指の爪の先ほどですが蘭奢待の実物の展示があったのにも驚きました。しかしなんというか…こういうこじんまりした道具となると日本の蒔絵の優雅さ瀟洒さがどうにもこうにも一番だと思ってしまいます。孔雀牡丹蒔絵沈箱、楼閣山水蒔絵香箪笥、源氏物語蒔絵帙形沈箱などは感心を通り越してなんだか腹が立ってくるほどでした。
どれも精神の栄養になる展覧会でした。