【材料】
法蓮草
塩昆布 ゆでた法蓮草の1/6程度
【調味料】
ちょっといいごま油 我が家は岩井のごま油を使わせていただいております
気分によって白コショウ
【使う道具】
洗い桶
大きめの鍋 小さい鍋しかない場合は入れる法蓮草の量を減らすこと
ざるなど洗った法蓮草を一旦上げておくための器
ボウルまたは密閉容器
【作り方】
- 大きめの鍋に水を張り湯を沸かす
- 法蓮草を洗い桶の水に浸けた後振り洗いし汚れを落とし一旦ざるなどにあげて水を切る
- 洗い桶に冷水を張る
- 鍋が沸いたら茎の部分から法蓮草を入れる
- 茎に火が通り透明感のある美しい翡翠いろになったら葉の部分も沈める
- ゆるやかに二度ほど裏返し法蓮草の全体が柔らかくなったら引き上げ洗い桶に落とし色止めする
- 水温が上がりすぎないよう水道水をかけ流しにする
- 全ての法蓮草をゆで終わったら引き揚げ根元を丹念に揃えて手でしぼる
- 根元を切り落としてから残りの部分を4-5cmの長さに切り分け再度絞ってボウルまたは密閉容器に入れる
- 全て切り分けたら塩昆布を全体に混ぜる
- 白コショウとごま油で和える
- うまい!
【このレシピのいきさつ】
醤油と鰹節で構築されたお浸しに飽きたのである。一方でナムル等に見るごま油のポテンシャル、また塩昆布の決定力にも一目を置いていた。そこである日茹でて絞ったお浸しに塩昆布を混ぜてみた。十分にうまい。次にごま油をかけてみた。途端…いろまちに長くつとめている芸妓を思わせるほど艶っぽい味わいとなった。丁度よく湯がかれた法蓮草の持つなめらかな柔らかさに塩昆布の持つ奥ゆかしくも手堅いうまみ、そこにごま油の芳醇な香りと油ならではのコクが加わりなかなかに侮れない完成度である。
しかし何か、何かが足りない。
ナムル先輩の流儀にならって白コショウをかけた。
何が変わったかとは明確には言えない。レシピに記載する程不可欠な工程なのかと問われれば確かには返せない。しかしほんのわずかに白コショウを入れたことで、ただ滑らかで優しいばかりであったお浸しに、微かに、ほんの微かに、侮れないような気骨が備わったように思われたのである。