【材料】
焼穴子
小松菜
朧昆布
丸もち
【調味料】
キダイの煮干し
塩
醤油
京風うすいろだしの素
【作り方】
- キダイの煮干しを前日から水に浸しておく
- 金時人参は型抜きして煮しめと一緒に煮ておく
- 小松菜は湯がいて3-4cm程度の長さに刻みだしの素で洗う
- 焼穴子はレンジで解凍、食べやすく見栄えよいように切る
- 椀に小松菜と人参と焼穴子を並べる
- 丸もちは焼く
- 1をお椀で必要量計り鍋に入れ煮干しと共に10分ほど煮て出汁をとる
- 塩、醤油、だしの素で適宜調味する
- 焼いた餅を入れさらに5分煮る
- 餅を取り出し椀に入れる
- 下地を網で濾しながら椀に張る
- 朧昆布を載せる
【このレシピのいきさつ】
先月あたりだったろうか、鎌倉レンバイ前の三橋商店で焼穴子が矢鱈安く売っておった。こと食材については見る前に飛ぶタイプなので値段に興奮するまま特にあてもなく買った。しかし案外つぶしを思いつかないものでそのまま冷凍にまわした。
正月準備で三橋商店に立ち寄った際、ずっと気になっていた鯛の煮干しをお店の人に差し出して「これでお雑煮のだしをとるってのはアリですかね? 」と聞いたところ「アリですね!」といわれたので引き取り、ついでにのせたらしゃれているだろうと思って朧昆布も買った。しかしこのときまだ焼穴子を入れるという考えに至っていなかったので、雑煮の蛋白質担当としてはいつもどおり鶏もも肉を準備していた。
一方で、
お雑煮に鶏もも肉というのは適切か?
適切だとしてもただ煮たものでよいのか?
焼き目をつける位したほうがうまいのではないか?
そんな自問が胸中を去来していたのも事実である。食いしん坊はたかが一杯のお雑煮でもおろそかにせず色々と思い悩むものなのだ。しかし結論は出ずじまいであった。
その後年末の掃除で冷凍庫の中のわけのわからないものを廃棄した際焼穴子に再会した。彼は活躍の場がなくてさみしそうに、また雑煮に入れてほしいような顔をしていたように見えたが錯覚であろう。何にせよ閃きを得た私はグーグル先生に聞いてみた。焼穴子の雑煮、ありやなしや?「アリですね!具体的には尾道や兵庫県あたりにありますね!」グーグル先生の承認を得た私は喜び勇んで雑煮の蛋白質担当を焼穴子に任せることにした。鯛の煮干しのだしの引き方もグーグル先生にお伺いを立て、そうして出来上がったのがこのお雑煮である。鯛出汁の下地は今までに味わったことのないふくらみと柔らかさのあるうまみをはらんでおり、小松菜も程よく茹であがり彩たのしく、小さい桜に抜いた人参は想定以上に上品で、何より穴子に贅沢な祝い膳らしさがあり実にいい。
こいつは春から縁起がいいやぁ。